きのうは改憲派と護憲派のそれぞれが各地で集会を開催したり街頭に立ったりしたようです。
ニュースを観ていたら、護憲派の人がTV局の街頭インタビューに対し「日本は戦争に負け、原爆も落とされたのだから憲法を変えるべきでない…」と言っていましたが、まったく理屈になっていない。
なぜ、戦争に負け原爆を落とされると憲法を変えられないのか!?
ここまでくると、もはや噴飯ものです。
因みに、同じく戦争に負けたドイツは、戦後20回以上も憲法を改正していますが、今もってなおナチスは復活していない。
一方、改憲派の一人がTVの街頭インタビューに対して次のように答えていました。
「台湾有事や北朝鮮の脅威を考えると、現行憲法では抑止力を確保することができない。だから改憲すべきだ…」と。
これもまたおかしい。
なにかの誤解だと思われますが、現行憲法(占領憲法)は核兵器の保有を禁止しているわけでもないし、個別的自衛権や集団安全保障での武力行使についても否定していない。
例えば非核三原則にしても、あるいは武器輸出規制についても、日本政府が政策として自己制約を設けているにすぎず、現行憲法が禁止しているわけではありません。
それに現行憲法には「総理大臣が靖國神社を参拝してはいけない」とも書いていないし、「防衛費をGDP比3%以上にしてはならない」とも書いていない。
すべては我が国の政治家と国民が政治判断で自己規制しているだけであって、現行憲法が障害になって実現できないわけではありません。
護憲派にしても改憲派にしても、我が国の憲法論議は実に歪んでいます。
強いて言えば、憲法9条2項の「国の交戦権は、これを認めない」がネックになりますが、これはマッカーサー草案を日本語に訳す際のミス(翻訳ミス)であって、この部分については解釈を変更しつつ自衛隊法と防衛省設置法を改正することで自衛隊を交戦資格を有する軍隊に位置づければいい。
さて、そもそも憲法とは主権の発動です。
主権の発動たる憲法が、主権の存しない占領下に発動できるはずがない。
ゆえに現行憲法は一旦は破棄されなければ道理が通らない。
だからこそ私は護憲派にも改憲派にも与することができない。