注目される3つの衆院補欠選挙ですが、土日の世論調査によればそれぞれの選挙区で立憲民主党が推す候補者が優勢に立っているようです。
結局、自民党は東京15区でも長崎3区でも独自候補者を擁立することができませんでした。
唯一、擁立することができたのが島根1区です。
ご承知のとおり、島根1区は自民王国で、そこで自民と立憲の一騎打ち選挙が展開されていることから、その勝敗が岸田政権にとって極めて重大な影響を与えることは必至です。
信じ難いことに、島根1区の自民党候補者は財務官僚です。
候補者本人は「財務省に辞表を叩きつけて立候補した…」と有権者に訴えていますが、年齢は55歳とのことですので、辞表を叩きつけなくともまもなく退官の年齢です。
意外に知られていませんが、実質的に中央官庁は60歳まで働くことができません。
概ね55〜56歳で退官です。
同省同期の誰かが事務次官に昇格した時点で、同期の官僚は退官するのが慣例です。
だからそれぞれの官庁には「天下り」というシステムが構築されているわけです。
即ち、この候補者は「天下らない代わりに国会議員にしてほしい…」と言っているに等しい。
それに財務省に辞表を叩きつけたとして、仮に当選しても、国会のなかで財務省と闘って緊縮財政路線を転換するために働いてくれるはずもあるまい。
当該候補者が当選すれば、ただただ「緊縮派」が国会のなかに新たに一人増えるだけです。
もしも私が対立候補者なら、その一点を訴えるが果たしてどうか。
財務省は次の『骨太の方針』で、PB黒字化目標よりもさらに厳しい財政規律を盛り込もうとしています。
島根から財務官僚を永田町に送り込んだところで、地元におカネは落ちないことを島根県民は理解すべきです。
立憲民主党を支持しているわけではありませんが、ぜひ亀井候補には頑張ってもらいたい。