今日から14日まで、岸田首相が米国を公式訪問します。
我が国の総理大臣による公式訪米は9年ぶりとのことです。
岸田首相はまずワシントンDCに入り、日米首脳会談、次いでホワイトハウスでの公式晩餐会に出席し、11日には米国連邦議会上下両院合同会議で演説したのち、日米比首脳会合に出席する予定です。
その後、ノースカロライナ州に行き、現地の日系企業の視察や日本語学習者との懇談等を行うほか、州知事夫妻との昼食会に出席するとのこと。
迎い入れる米国としての扱いは、むろん「国賓待遇」です。
なぜ「待遇…」なのかは説明するまでもないでしょう。
説明するまでもないのですが、ご存じない方もおられるかもしれませんので一応説明しますが…
岸田首相は、我が国の国家元首ではないからです。
国賓として迎えられるのは国家元首のみです。
だから「国賓待遇…」なのでございます。
例えば、我が国の国家元首であられる天皇陛下が訪米されますと、ホワイトハウスでの歓迎式典では国家敬礼として21発の礼砲が打たれますが、岸田首相の場合は19発になります。
このたった2発のちがいが大きなちがいなのでございます。
ちなみに、外交プロトコルでは、以下のとおり待遇の序列が決まっています。
1位:エンペラー
2位:キング、クイーン
3位:大統領
4位:首相
2012年の春、英国のエリザベス女王陛下の即位60周年を祝う午餐会がロンドン南部郊外のウィンザー城で開かれましたが、その際、諸外国の国家元首が大勢おられたなかで、我が国の上皇陛下(当時は天皇陛下)がエリザベス女王のお隣にお座りになられていたのはそのためです。
我が国の天皇陛下は、世界唯一のエンペラー(皇帝)なのでございます。
意外に知られていませんが、天皇陛下にもお名刺があり、そのお名刺には「The Emperor of Japan」と書かれています。
そして英国はもちろんのこと、世界中の国々も我が国の天皇陛下を「The Emperor」(皇帝)として認めてくれています。
本来、「皇帝」というのは複数の王様を束ねている君主のことを指しますが、ご承知のとおり現在の天皇陛下は複数の王様を束ねているわけではありません。
それなのに、なぜ国際社会では、我が国の天皇陛下を「The Emperor」として認めてくれるのでしょうか。
それを理解すると、改めて「日本」という国の歴史の深さや偉大さを知ることになります。
さて、2006年に小泉首相が訪米した際には、小泉首相が好きなエルビス・プレスリーの邸宅を案内され、エルビスサンドでの「おもてなし」を受けました。
たしか移動の際には、大統領とともにエアーホースワンに同乗させてもらうほどでした。
あるいは2015年の安倍首相の訪米の際には、ホワイトハウスでの歓迎式典において安倍首相の地元である山口県の日本酒「獺祭」で乾杯がなされるなどの「おもてなし」を受けています。
今回の岸田首相の訪米では、どのような「おもてなし」があるのでしょうか。