本日、川崎市議会(予算審査特別委員会)で質問に立ちます。(質問時間は17:00過ぎ)
市議会HPからインターネットによるライブ中継も行われますので、ぜひ、よろしくお願い申し上げます。
さて、一昨日、内閣府から需給ギャップが発表されました。
需給ギャップとは、日本経済の供給力と需要の差(ギャップ)を示すものです。
2023年のQ4(10〜12月期)の需給ギャップは「-0.7%」だったとのこと。
ちなみに、前期(23年9〜10月期)の需給ギャップは「-0.2%」でしたので、2四半期連続のマイナスとなります。
「-0.7%」を年換算の金額で表しますと、4兆円の需要不足(デフレギャップ)だった、ということになります。(但し、内閣府の発表によれば…)
「但し、内閣府の発表によれば…」としたのは、内閣府が採用している需給ギャップの計算方法が、なるべくギャップが小さくなるようにされているからです。
以前までは「最大限の供給能力から需要を差し引く」という算出方法が採用されていたのですが、例によって竹中さんが大臣のときに「過去平均の供給能力から需要を差し引く」というように算出方法が変更されてしまったのでございます。
どんなにお〇〇さんでも解ると思いますが、デフレ(総需要不足)経済が続くなかにおいては、供給能力の過去平均がどんどん小さくなっていくのは当然です。
では、どうして竹中氏は最大概念から平均概念に変えたのでしょうか?
むろん、デフレギャップをできるだけ小さくすることで、竹中氏ら緊縮財政派は「財出拡大の必要はない…」と言えるからです。
しかしながら、2023年Q4のGDP統計の内訳をみますと、個人消費が前期比0.2%の減、設備投資が0.1%の減となっていることから、内需の力が欠如していることは確かです。
もしも最大概念のデフレギャップで算出すると、おそらく現実のデフレギャップは、10兆円以上はあるものと推察します。
巷では食料品や建築資材など、一部の分野で価格が上昇しているため、日本経済がインフレに陥っていると錯覚されておられるかたもおられるでしょうが、日本経済は一部分野でコストプッシュ・インフレでありつつ、経済基調としてはまちがいなくデフレ(総需要不足)が続いています。
デフレの継続は、国民の貧困化と国力の衰退をもたらします。
そもそも、資本主義とは、民間銀行から企業への貸出しによって貨幣を創造し、企業がその貨幣を元手に事業を行い、支出によって世の中に貨幣を供給するシステムです。(貨幣内生説)
貨幣が経済の中を循環することで、経済活動や商業活動が活発化します。
逆に、企業による民間銀行への返済は「貨幣の消滅」になります。
よって、企業の借金返済(貨幣消滅)よりも、企業の借入れ(貨幣創造)のほうが多くならないと経済は活性化せず、デフレを払拭することはできません。
企業が民間銀行からの借入れを拡大するときというのは、どのようなときでしょうか。
むろん、需要の拡大が見込めるときです。
現在ように、デフレギャップが10兆円以上もあるのでは、企業が民間銀行からの借入れを増やして投資などするわけがない。
ゆえに、デフレギャップを埋めるための政府支出、すなわち財政政策と産業政策が必要になるわけでございます。