ナショナリズム vs グローバリズム

ナショナリズム vs グローバリズム

米国には、毎年、メキシコから約100万人の違法移民が流入するらしい。

国境のすぐ向こうの原野では、不法越境を目論むメキシコ人が夜になるまで身を伏せ、暗くなると米国に入ってくるという。

それでも毎年、50万人くらいは不法移民として捕らえメキシコに送り返していますが、あとの50万人は塩梅よく入国し広い米国に散っていきます。

バイデン政権になって以降、すでに700万人程度の移民が流入しているとも仄聞しています。

不法移民の中には、メキシコで人様の赤ん坊を誘拐し、自分の子供であるように親子を装って米国に入る者もいます。

子供連れは、米国政府に保護されて入国しやすいことを彼ら彼女らは知っているからです。

むろん入国に成功すると、その赤ん坊を捨ててトンズラするわけです。

なお、不法移民のすべてが善人であるわけもないようで、米国の高い犯罪率に不法移民が寄与していることは言うまでもありません。

日本人の多くはトランプバッシングが好きですが、メキシコとの国境に壁を築きたくなる心境はよくわかります。

四方を海に囲まれ、陸続きで国境を接していない日本では、その心境は理解され難いものなのかもしれません。

昨年7月に川口で発生したクルド人による暴徒化事件が起きてもなお、国や自治体が進めるグローバリズムを前提とした「多文化共生政策」に疑問を持つ者は少ない。

因みに私はグローバリズム前提の多文化共生主義者ではなく、ナショナリズム(国民主義)を前提としたインターナショナル派です。

注意:国民主義と民族主義は全く異なります。

さて、トランプ前大統領が築いた壁(完成はしていない)は、いわば「万里の長城」で、不法に入国しようとする者が絶対に越えることができない、破壊することもできない強固な壁の必要性を訴えたわけです。

登山家のプロにロープなどの登山道具を使ってその壁を越えさせる実験をしたらしいのですが、さすがに越えることはできなかったという。

登山について専門的なことはわかりませんが、フックを引っ掛けられるところがないとさすがに無理なのでしょう。

こうした壁をつくったことに対し、反トランプ派は「人種差別だ」と批判していますが、パスポートもなく不法な入国を試みる人たちを止めることが、なぜ人種差別なのか理解に苦しみます。

因みに、合法的に米国に移民したメキシコ人たちも「メキシコからの不法移民は入れるな!」と言っています。

秦の始皇帝がつくった「万里の長城」ですが、ご承知のとおり結局は移民の流入を防ぐことはできませんでした。

ご承知のとおり、越えて入ってきたのはチンギス・ハーンのモンゴル帝国です。

モンゴル帝国は、東は朝鮮半島から西はハンガリアの方まで地球上で一番大きな陸の帝国をつくりました。

ところが、さすがのモンゴル帝国もコンスタンティノープルの城壁だけは破壊して越えることができませんでした。

モンゴル帝国は当時すでに火薬はもっていたのですが破壊力に優れた大砲をもっておらず、そのため7〜8メートルの厚さを誇るコンスタンティノープルの城壁を貫くことができなかったのです。

後に、この城壁を破ってコンスタンティノープルを陥落させたのは、破壊力に優れた大砲を手にしたメフメト2世のオスマン帝国です。

火薬の登場が歴史を一変させたことは言うまでもないことですが、優れた大砲の登場がさらに歴史を一変させたわけです。

要するに、武器が新しく開発されるごとに権力や権威、あるいは国の力が変わり、それを受け入れた側が強くなり弱い国の国境を破ってゆくわけです。

一方、武器(有形力の行使)により国境を破られるパターンのほか、現在の日本がそうであるように、歪んだイデオロギーに支配されていることに気づかず、自ら国境観念を喪失していくパターンもあります。

行き過ぎたグローバリズム時代、やがては日本でも、私のように「国境が大事だ」と言うものまでもが人種差別者のレッテルを貼られそうです。