2月2日、厚労省から昨年9月時点の『人口動態調査』が発表されています。
気になる合計特殊出生率ですが、昨年1月から9月の統計概数から試算すると、2023年の合計特殊出生率は1.20程度になる見通しです。
合計特殊出生率とは、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したものです。
過去最低を記録した2022年の「1.26」を下回ることがほぼ確実となりました。
出生数は2022年に比べ4万人程度減少し72万6千人となる見通しとのことで、統計的には2016年以降に急激に減少しているのですが、そのなかでも2023年は2019年と並ぶ最大の減少率となります。
さて、都道府県別の統計でみますと、東京都の出生率が全国最低です。
最低なのですが、不思議なことに出生数はそれほど減っていません。
ご存知のとおり、2000年以降、全国の出生数は下がり続けているのですが、東京の出生数は意外にも相対的に減っていないのでございます。
ただ、出生率をみますと東京都内でも格差がみられます。
23区全体の出生率は1.09です。
うち、最も高かったのは中央区の1.37。
次いで、港区の1.27。
第三位が千代田区の1.23。
その一方で、最も低かったのは豊島区の0.93。
豊島区以外で「1」を下回ったのは、目黒区、新宿区、中野区、杉並区、板橋区の5区です。
なるほど、港区、千代田区、中央区などの家賃の高い大都心に居を構えられるほどの所得を得ている世帯は子供を生んでいるわけですね。
団塊世代の方々に言わせると「現在の少子化問題はおカネの問題じゃない…」とのことのようですが、統計を細かく見ていくと、やはり現在の我が国の少子化問題は格差問題と密接に関係しているものと思われます。