2月9日、財務省から2023年第4四半期(Q4)の「国債及び借り入れ金残高」が発表されました。
内訳をみますと、普通国債や財投債などの内国債残高は1146兆589億円、長期短期を合わせ借入金残高が48兆939億円、政府短期証券残高が92兆2993億円、合計で1286兆4520億円となりました。
コロナ・パンデミックがはじまった2020年3月のそれと比較すると、政府債務の残高は172兆円増えました。
これを健全財政論者たちは「将来世代に172兆円のツケをまわした…」と言い、財務相の諮問機関たる財政制度等審議会は「潤沢な家計資産がこれを可能にしている…」と言う。
そこでぜひ、健全財政論者や財政制度等審議会に質問したい。
まず、「将来世代に172兆円のツケをまわした…」と主張する人たちにお尋ねしますが、明治政府が発足して以来、政府の負債残高は既に4000万倍にまで膨れ上がっていますが、現在に生きる私たちは、いったいどの時代の部分のツケを払わされているのでしょうか?
ツケどころか、これまでに構築されてきた、例えば道路、橋梁、鉄道、港湾、水道、下水道、医療施設等々のインフラのお陰で、私たちはずいぶんと便利で衛生的な生活をさせて頂いています。
もしも先人たちが「これ以上、クニのシャッキンがぁ〜」と言って国債発行を抑制しインフラ整備を怠ってきたのなら、私たちは現在の豊かさを享受することはできなかったはずです。
一方、日本は1990年代後半から約30年間、緊縮財政(国債発行の抑制)によって公共事業費を減らしに減らし続けてきました。
そのツケは、将来世代にまわされることになるでしょう。
続いて、「潤沢な家計資産が政府による国債発行を可能にしている」と主張する財政制度等審議会に訊きたい。
潤沢な家計資産が政府の国債発行を可能にしていると言うけれど、上のグラフのとおり、政府の国債及び借入金残高が増えていくに伴って家計資産(現預金)は増え続けています。
もしも潤沢な家計資産が国債発行の原資だったのなら、国債発行残高が増えれば増えるほど、家計資産は減っていかなければおかしいではないか。
なので上のグラフは、家計資産が国債発行の原資でないことを証明していることにならないか。
すなわち、現実は財政制度等審議会が言っていることとは全く逆で、政府による国債発行が国民の家計資産を増やしているのです。
何度でも言います。
政府の赤字は、国民の黒字です。
今日から川崎市では、来年度(2024年度)予算案について審議する予算議会が開催されます。
行政の黒字は市民の赤字であり、行政の赤字は市民の黒字である、これを理解してくれる同志が欲しい。