2月6日に総務省から発表された『家計調査』によりますと、昨年12月の2人以上世帯の消費支出は平均で32万9,518円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比2.5%減となりました。
下のグラフのとおり、10ヶ月連続のマイナスです。
すなわち、昨年の国民生活は明らかに一昨年よりも貧しくなってしまったということです。
日本経済新聞社は「物価高で消費が落ち込んでいる…」という記事を書いていますが、正確には「物価上昇に所得の上昇が追いつかず、消費が落ち込んでいる」です。
要するに実質賃金が下落しているからです。
おそらく日本経済新聞社は、円安の原因となっている日銀の低金利政策が問題だ、と言いたいのかもしれません。
国民経済を理解できない人たちほど、今の日銀の低金利政策を批判されていますが、日本経済がデマンド型のインフレにならないかぎり、日銀が金利を引き上げることは難しいと思います。
さて、当該ブログでは繰り返しになりますが、実質消費を減らすということは「お米を買う量が減っている」「パンを買う個数が減っている」という話になりますので、まさに国民の貧困化そのものです。
『家計調査』をつぶさに見ますと、消費の減少に最も影響しているのは食料品の購入となっています。
サケやイカといった魚介類、調理食品のほか、肉類、野菜・海藻などの幅広い品目で消費が落ち込んでいるようで、すでに我が国では魚介類を食べることは「贅沢」という領域に入りつつあるのでしょうか…
それにつけても、国民の実質消費を減らし、貧困化を進める現在の政治を一変させることはできないのでしょうか。
「実質消費が減る…」ということが深刻な問題であることを理解する政治家は、はたして何人いるのか。
そうした政治家が少ないからこそ、消費税の減税、もしくは廃止という議論が国会においても一向に出てこないのでしょう。
そもそも消費税は結果として「消費」を抑制するための税制なのですから、家計の消費支出が減少するのは当然です。
ゆえに消費税の減税、もしくは廃止をするだけでも、国民生活はだいぶ楽になるはずです。