タクシーの運転手になるためには「二種免許」を取得する必要がありますが、二種免許を持たずとも一般の人が自家用車を使ってタクシー業を行える「ライドシェア」が、ことし4月から一部で解禁されます。
いわゆる「白タク」の一部解禁です。
この“白タク解禁”について、巷には以下のような意見があることに驚かされました。
「実際、都内ではタクシーが足りないなどの問題が起きているのだから、ライドシェアは必要ではないか。これに反対しているのも既存のタクシー業界だけで、ほとんどの人が望んでいる…」
そういえば、小泉内閣が断行した「郵政民営化」のときも、「派遣業改正」のときも、この種の「既得権益打破論」が国会でも世間でもまかり通りました。
しかし、その結果はどうなったでしょうか。
郵政3事業民営化の結果、郵便料金は安くなるどころか高くなり、配達されるまでの時間も長くなりました。
派遣法を改正した結果、とりわけ若者を中心にワーキングプアーが増え続けました。
一連の構造改革が、日本国民が生きるために必要な供給能力を毀損し、国民生活を貧しくしてきたことは明らかです。
そもそも、なぜタクシー不足に陥ったのかを静に考えよ。
これも小泉内閣の構造改革の結果でした。
昔はタクシー運賃は認可制でしたが、それを小泉内閣が届出制に変えてしまい低価格競争(タクシー料金の叩きあい)が起こり、その上、こともあろうに車両の総量規制をも緩和してしまったのです。
低価格競争の上に、需要に対し台数が増え過ぎてしまったために、タクシー運転手の給料が大幅に下がってしまったのです。
このことにより、業界を去ってしまった運転手が何人いると思っているのか。
実は今、都内のタクシー運転手は徐々に増えはじめています。
その理由は簡単です。
タクシーの台数が減ったことから、給料を高くしないとタクシー会社が運転手を雇えなくなったため、徐々に運転手の数が増えてきたのです。
要するに、賃金を引き上げた結果、運転手が戻ってきたわけです。
ちなみにライドシェアは、当初はタクシー会社の管理のもとにやらせるらしいのですが、いずれは「自由に白タクをやっていい…」ということになるでしょう。
そうなれば、犯罪が増えるのは必定です。
まさにライドシェア大手のUberが、既に衝撃的な事実を示しています。
ライドシェアが解禁されているフランスにおいて、2018年、なんと1年間の性犯罪が3,000件に及んだという。
そうした犯罪が起きたとき、だれが責任をとるのでしょうか?
誰も取りません。
断固、私はライドシェアを反対します。
ライドシェアを特に推進しているのは、例によって菅義偉、河野太郎、小泉進次郎の神奈川ネオリベ三人衆です。