政府が発表した1月の「月例経済報告」によれば、昨月(2023年12月)に続いて「個人消費は持ち直し、景況判断も改善している」とのことです。
さて、このような報告を皆さんは本当に信じられますか?
私には、まるで大東亜戦争末期の大本営発表のように聞こえてなりません。
戦況は悪化する一方なのに、まるで勝ち続けているかのように…
例えば今回の月例経済報告では、消費者物価について「緩やかに上昇している」とあります。
「緩やか…」かどうかは主観の問題ですが、コストプッシュによる物価上昇に対し賃金上昇が追いついていないという現状のなかで、どうして「消費が持ち直している」と言えるのでしょうか。
物価が上昇しても、その分、日本国民の賃金が増えているのならいい。
しかし残念ながら、国外要因に伴うコストプッシュなわけですからそうはなりません。
とりわけ、消費活動を最も停滞させているのは消費税です。
来年度予算案をみますと、政府は消費税収を23兆8230億円も見込んでいますが、消費税とは結果として「国民の消費を抑制させる」ことを目的とした税金です。
ゆえに消費を刺激したいのなら、本来は消費税を廃止するなり減税するべきなのですが、政府(特に財務省)はそれだけはしたくないものだから、政府発表の経済報告では常に「消費は緩やかに回復している…」とするわけです。
また、国民の多くが「消費税負担はやむを得ない…」と諦めてしまっていることも問題です。
この種の人たちは財務省が主導する「破綻プロパガンダ」に洗脳されている人たちなのでしょう。
ただ、消費税については洗脳されておられない方々にも大きな誤解があるのも事実です。
さきほど私は「消費税は消費を抑制することを目的とした税金」と定義しましたが、だからと言って消費税は消費者に課せられた税金ではありません。
ぜひ、消費税法を読んでみてください。
「消費税は消費者が負担するもの…」を謳う文言など、この法律の条文には一切ありません。
消費税とは、あくまでも事業者の売上に課せられた税金です。
いわば、第二の法人税です。
国に法人税(第二の法人税)を納めねばならない事業者が、お客さん(消費者)にその一部を負担してもらっている、それが「消費税」です。(但し、消費者に一部を負担させる法的義務はない)
むろん、悪いのは事業者ではなく、このような税法をつくった財務省であり国会議員たちです。