かの有名な小泉進次郎議員が地元選挙区である横須賀駅に立って、能登半島支援のための募金活動をしていることが話題になっています。
話題になっているというか、どちらかというと嘲笑を買っておられるようです。
たしかに心がけは素晴らしいことかもしれませんが、やはり国会議員としては少しピントがズレていると思わざるを得ません。
あなたの仕事は、緊縮財政至上主義の財務省と闘って被災地支援のための国債発行(予算確保)を勝ちとることです。
それも予備費などではなく、復旧復興費として大規模かつ長期的な予算額を確保することです。
マクロ経済の視点に立てば、国民から募金を集めた場合、その分、国民の所得が減ってしまうわけですが、政府による新規国債の発行と支出は国民の所得を増やします。
政治の目的は、国民の安全を守り、国民を豊かにすることです。
ここで言う「豊かにする」とは、すなわち国民の所得を増やすことです。
さらに誤解を恐れずに言えば、募金活動は小学生でもできますが、財務省と闘って新規国債を発行することは国会議員にしかできません。
しかも、小泉さんは政府与党の国会議員ですから。
果たして彼は、なんのために国会議員をやっておられるのでしょうか。
ややもすると、この種の人たちは復興財源を確保するために「復興税」の必要性を説きはじめるから恐ろしい。
何度でも言いますが、国民からどれほどの税金を掻き集めてもそれは復興財源には回りません。
どんな名称の税金だろうが、納められた税金は国債と相殺されて消滅してしまうだけです、要するに国債発行残高が減るだけなのです。
国債発行残高を減らしたところで、国民はもちろん被災地には何の利益にも支援にもなりません。
どうして、そのことが理解できないのでしょうか。
ちなみに「国債を発行したら返済しなきゃならないじゃないか…」と思っている議員は、国会議員であれ地方議員であれ、即刻お辞めになったほうがいい。
国債を税金で返す必要など全くなく、国債は永久に「借り換え」されていくだけでございます。
そこが家計簿と異なるところです。
よく聞けよ小泉くん、政府の長期債務残高は、私が生まれた1971年以降、すでに170倍以上にまで膨れ上がっていますが、これまで日本政府は一度も債務不履行(デフォルト)に陥ったことはなく、むしろその反対側で国民の純資産が同額増えてきたのです。
これが現実です。
それにつけても、どうせ募金活動をやるなら、乗降客の多い東京駅とか横浜駅でやればいいのに、選挙区の横須賀駅でやるところが、いかにも小泉進次郎くんらしい。