この件についても、テレビや新聞などでほとんど報じられていないのが誠に不思議なことなのですが、昨年12月6日の国会で「改正大麻取締法」が可決成立しているのをご存知でしょうか。
ご存じの方は、政治に対するアンテナ感度の高い方です。
大麻取締法が改正されたのは、これまでは例え医療目的であっても、大麻から製造された医薬品の使用は禁止されていましたが、以後、解禁するためです。
いわゆる、医療大麻の合法化です。
世界的な潮流もあって、ようやく我が国でも大麻の医療上の有用性を認めざるを得なくなったとも言えるのでしょう。
ただ、この流れに大いなる危機感をもっているのが既存の製薬会社だと言われています。
これまで使ってきた薬が医療大麻のために売れなくなってしまった、という国もあるようです。
因みに、医療大麻のせいで売れなくなってしまった薬の一つは鬱病の薬らしい。
一方、既に医療大麻ビジネスに参入している米国やカナダや英国の製薬会社に比べ、日本の製薬会社は明らかに遅れをとっていますので外国産医療大麻に依存せざるを得なくなる可能性があります。
日本の製薬会社には優れた研究者が大勢おられるでしょうから、その人たちはおそらくは医療大麻の有用性については既によく理解されているのでしょうが、思うように研究できない実態もあったのではないでしょうか。
我が国が医療大麻の分野で遅れをとってしまった理由はそれなりにあります。
日本では「大麻」と言うと、大学のアメフト部員の大麻所持が発覚して逮捕者が出るなどの事件もありましたが、どうしても薬というより「マヤク=悪いもの」というイメージが強い。
しかしながら本来、我が国では歴史的にも「大麻」は身近な存在でした。
実は日本の国土ほど麻の栽培に適した国はなく、私たち日本人の先祖たちは古来より「麻」とともに生活をしてきたと言っても過言ではありません。
そもそも縄文時代の「縄」は、麻縄の縄です。
神社の神主さんが参拝者の頭上でお祓いをしてくださるときの道具は、「大麻(おおぬさ)」と言い、「天照皇大神宮」のお神札の正式名称は「神宮大麻」です。
また、大麻は「マヤク」としてではなく、主として「クスリ」として使用されてきたわけです。
そんな日本がなぜ、医療大麻では後進国になってしまったのでしょうか。
理由はいくつかありますが、その一つにマッカーサーによる占領統治があったことは間違いありません。
詳しくは、またの機会に。