石川県によれば、今回の地震による石川県内の死者は、本日の午前11時すぎ現在で100人確認されたとのことです。
道路網の寸断もあって、被災地への物資補給が思うように進んでいないらしい。
復旧作業には建設業に従事する人たちが必要になりますが、石川県の建設業許可業者数は、この20年間で25%も減ってしまったという。
つまり、復旧(建設)需要に対する供給能力が足りていないわけです。
だからこそ、国、都道府県、市町村などの行政主体は、常に一定金額規模の公共需要を平準化して発注することで、その地域の供給能力(従事者、生産資産、技術)を維持しなければならないのです。
この点こそが、我が国と他国との大きな違いです。
国会議員であれ、地方議員であれ、首長であれ、まずは我が国の国土の形状を頭に叩き込んでほしい。
我が国の国土は、南北2,000km、東西2,000kmに及ぶ弓形の細長い形をし、しかも海峡により陸地は分断され、無数の島々が点在しています。
細長い国土の中央を2,000m級の山脈が縦貫し、日本海側と太平洋側に二分されています。
そのために河川は急勾配で短いため、ヨーロッパの国々からは「日本の河川は滝だ…」などと揶揄されることもあります。
この国土は、109の一級水系と2722の二級水系がつくる分水嶺により細かく分割されているわけです。
それでいて、国土面積の70%を占める山岳地域は、崩落しやすい風化岩や複雑な岩種で構成されています。
平野といえば河口部か山岳盆地にしかなく、狭い平野が分散している上に、国土面積に対する低地や台地の比率が小さい。(低地13%、台地12%)
加えて、台風のほか、豪雨、豪雪にも見舞われます。
ちなみに、年間降雨量の地球総平均は800ミリですが、我が国はその約2倍の1400〜1800ミリです。
なお、ヨーロッパ主要部やアメリカは一つの巨大な大陸プレートの上に存在していますが、我が国土の下は4つの大陸プレート(太平洋プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレート、フィリピンプレート)がせめぎ合っているため、世界で発生するマグニチュード6.0以上の地震の約2割は日本国土近辺で発生しています。
このような国が、建設業許可業者数を減らし続けた政治的罪は極めて大きい。