私が嫌いな現職国会議員の代表格は、何と言っても小泉進次郎くんです。
2016年1月に彼は「農協の投資は農家のためにならない!」「農協を解体するべきだ!」と発言し、農協の存在を完全否定しています。
その考えは今も変わらないのでしょう。
しかしながら、例えば農協が持っている「380兆円」の資金とその投資事業というものは、不作や燃料高により廃業しそうになっている農家を助け、日本人が飢えることのないようにすることを目的としたものです。
いわば、日本人と農家にとって農協は「飢えないための生命線」です。
農協改革、もしくはその廃止を求める人たちは、そんなにも「外資による農協マネー380兆円の略奪」に与したいのでしょうか。
国民の皆様におかれては、ぜひとも「郵政民営化」を思い出してほしい。
ご承知のとおり「自由な競争こそ、サービス水準の向上をもたらす…」という新自由主義思想の下で、小泉内閣は郵政3事業を分割・民営化しました。
しかしそれにより、郵便貯金の一部が次第に国外に流れるようになっていきました。
その額は、かんぽ生命から1兆2,000億円、ゆうちょ銀行から最大で22兆7,000億円です。
本来、日本国内で経済成長のための「投資」に使われるべきおカネが、外国投資へと化けて流出していったのでございます。
因みに、かんぽ生命のガン保険の販売が政治的に止められて、全国の郵便局がアメリカンファミリー生命保険会社の「アフラック」の代理店にされる有様です。
前述のとおり、郵政民営化の第一のメリットは「サービス水準の向上」だったはずです。
かんぽ生命がガン保険分野に新規参入して競争が強化されたのであれば、日本国民は「ガン保険のサービス向上と価格低下」というメリットを受けていたはずです。
ところが、日本政府はガン保険分野で日本最大のシェアを誇るアフラックに「忖度」をし、かんぽ生命独自のガン保険サービスを認めませんでした。
郵便料金だって安くなるどころか、民営化以来、着実に値上がりしています。
なお、ゆうちょ銀行が2015年6月に資産運用の見直しを発表した際、日本国債の割合を下げ、市場運用のトップにゴールドマン・サックス証券の前副会長である佐護勝紀氏を採用したと発表しています。
これらの事実を知ってもなお、郵政民営化が誰のために実施されたのかを理解できない国会議員などは即刻辞職すべきです。
農協の撤廃、もしくは分割・民営化もまた同じことが行われるのは必至です。
親父は郵政を、息子は農協を…
それにつけても、なぜ小泉進次郎くんのような新自由主義者が、毎回毎回世論調査で「次期首相候補」として名前が上がるのでしょうか。
実に不思議です。