少子化対策の財源の一つとして検討されてきた「支援金制度」について、政府は2026年度から支援金を徴収する方向で話が進んでいます。
医療保険料を通じて、高齢者も含め全世代から集めるという。
例によって、税金ばかりではなく、社会保険料からも財源を捻出しようとしているわけです。
それにつけても、実にバカバカしい「財源論」が現実の政治においてまかり通っています。
少子化対策であれ、防衛費の増額であれ、財源なんぞと言うものは詰まるところ「国債の発行」で済む話なのに。
当該ブログをご愛顧くださっている皆様には繰り返しになり誠に恐縮ですが、税金や社会保険料は財源ではありません。
そもそも政府は集めた税金から、1年をかけて少しずつ支出をしているわけでもありません。
例えば政府に急な財政需要が発生した場合、政府は国庫短期証券(短期の国債)を発行し、資金を調達し、支出するだけです。
税金は「後」から徴収しています。
これが、スペンディング・ファースト(政府支出が先)です。
では、国債発行で支出し、後から税金を徴収しなければどうなるのでしょうか?
答えは、「別に何も問題はない…」のです。
国債発行が過ぎると金利が上昇するぅ〜、と騒ぎ立てる人がいますが、国債金利は日銀によるYCC(イールド・カーブコントロール)により管理することが可能です。
現に、そうしています。
インフレ率については、コストプッシュ型インフレによって多少は上昇しましたが、輸入物価の上昇が収まりつつあるので、今後は落ち着くことでしょう。
例え国債発行残高が増えても、どうせ「借り換え(ロールオーバー)」の連続です。
しかも、発行された国債の52%は、中央銀行たる日本銀行が保有しています。
すなわち、日本国債の半分以上は、市場とは無関係に、ひたすら借り換えされることが確定しているのでございます。
何より、①増税、②社会保険料の値上げ、③歳出改革は「財源」にはなりません。
なぜなら、これら①②③は、新たに貨幣が生まれているわけではないからです。
増税や社会保険料の値上げは、国民から貨幣(銀行預金)を奪い、貨幣を渡しているだけで行って来いでチャラです。
歳出改革は「こっちを削って、あっちに支出する」だけですので、これもまた国民の持つ貨幣が増えているわけではありません。
新たな貨幣を創出するという意味での「財源」は、国債発行以外にありません。
すなわち、国債発行と政府支出、つまりは「財政赤字」こそが「財源」なのでございます。
この事実を、一刻も早く全ての国民と議員が共有しなければならない。