食を考える

食を考える

まったく自慢にならないのですが、私は基本的に料理ができません。

ときおり、知人から新鮮な食材を頂くこともあるのですが、それらをどのように料理していいのかさっぱり解らない。

ゆえに、食生活は専ら外食産業、あるいは冷凍食品などの超加工食品に依存しています。

とりわけ最近は、そのてっとり早さから冷凍食品への依存度が過度に高まっています。

むろん、冷凍食品などの超加工食品の多くは脂肪分が多く、しょっぱいもの、あまいもの、それぞれの欲求を充たすほどの調味料によって加工されているのでしょうから、それなりに健康への影響は気にしてはおります。

いかに料理に無知な私でも、糖分、塩分、飽和脂肪酸の摂りすぎが、高血圧、高血糖、心臓病、糖尿病等につながってしまうことは理解しています。

しかも、これらの疾患が脳への血流を低下させ、血管性認知症のリスクをも高めるらしい。

最近の研究では、超加工食品は脳にまで悪影響を及ぼし、うつ病をはじめとする気分障害、認知機能の低下までをも招くおそれがあることがデータ的に指摘されています。

例えば、医学誌「Nutrients」では、超加工食品を多く含む食事によって、うつ病のリスクが44%、不安障害のリスクが48%高かったというデータが示されています。

また、医学誌「JAMA Neurology」にも次のような調査結果が紹介されていました。

「ブラジルに住む1万775人を対象に追跡調査したところ、総カロリーの20%超を超加工食品から摂取する人は、それ以下の人に比べて全般的な認知機能が28%も速く低下した…」

なお、英国に住む7万2083人での追跡調査でも、超加工食品の摂取量が10%増えるごとに認知症のリスクが25%も上昇したという。

ただ、これらの調査結果について当該論文の筆頭著者であるメリッサ・M・レーン氏は「厳密な因果関係はまだ不明…」としています。

とはいえ、やはり調査結果をみるかぎり、超加工食品をたくさん摂取することで、将来的にうつ病や認知症を発症するリスクが高まってしまう可能性はあるようですね。

もう一つ気になるのは、こうした冷凍食品や超加工食品に含まれている防腐剤です。

防腐剤の摂取が過ぎれば、当然のことながら腎機能の低下は免れないわけですが、日本人ほど防腐剤を摂取している国民はいないようです。

そのことを象徴するような出来事があります。

2004年に発生したスマトラ沖地震では、日本人を含めて約15万人が命を落としました。

津波に飲み込まれた遺体も多い。

その中でも、白くプカプカ浮かんだ遺体の多くは日本人だったという。

遺体はふつう2〜3日程度で腐敗して沈んでいくものですが、腐敗しにくい遺体は白くなってしばらく浮いたままだったそうです。

さて、やがては人工肉だの、フェイクミートだのが流通するようになるのでしょうが、肉でないものを肉の味にさせるわけですから、どれだけの化学調味料や添加物が使用されるのかわからない。