兵器製造を他国に依存せぬ国

兵器製造を他国に依存せぬ国

もしも我が国が近隣国から軍事的侵攻を受ける場合、その敵国はまず海軍によって我が国周辺の海上封鎖を行い、次いでロケット軍や空軍による経空攻撃を仕掛け、そして海兵隊や陸軍による上陸作戦により我が国土を制圧しようと試みます。

だからこそ我が国は、敵国の戦略目標を達成させないための海・空・陸、それぞれの抑止力を充実させなければならないわけです。

例えば、ロケット軍によるミサイル攻撃に対処するためには、敵国領域のミサイル基地を破壊できる反撃能力を持たねばなりません。

その反撃能力の一つが、トマホークなどの巡航ミサイルの保有と運用なのですが、残念ながらトマホークのような国産巡航ミサイルが実戦配備できるのは2027年以降です。

なので、それまでは米国からトマホークを購入して対応することになっています。

一昨日(11月17日)、米国国務省はトマホークの日本への売却を承認し、議会に通知したとの報道がありました。

売却されるトマホークは最大で400発、関連する装備を含めますと金額にして総額23億5,000万ドルとのことですので、概ね3,520億円相当になりましょうか。

さて、仮に敵国のミサイル基地を叩くことができても、今度は無数の戦闘機が経空攻撃を仕掛けてきます。

大東亜戦争末期の我が国土の惨状を思い起こせば、どんなに平和ボケな日本と言われていても自国の制空権を奪われることの意味を理解できない人は少ないでしょう。

ただ最近では「制空権」の代わりに「航空優勢」という言葉が使われるようになっています。

かつて制空権とは、常にその地域に敵国の飛行機が入れない状況を指していましたが、現在では空中給油機もあることから、必ずしもその場所を押さえたら敵機が飛んでこないということにはなりません。

よって現代戦では、戦闘機同士による凄まじい航空優勢の奪い合いが生じることが想定されています。

そこで、戦闘機と同様に重要となる航空兵器が「早期警戒機」です。

戦闘機の持つレーダー探知能力には限界があり、それを補うのが早期警戒機なのですが、この早期警戒機についても米国製が世界最強で圧倒しています。

第二次世界大戦後、米国はEC-121 ワーニングスターという早期警戒機を運用していましたが、当時は巨大なレーダーを搭載し、それを230機ほども運用していたという。

というか、この頃から既に早期警戒システムを活用していたところがやはり凄い。

我が国の航空自衛隊は現在、17機の早期警戒機(E-767CSが4機、E-2CAEWが13機)を運用し、日本周辺の空域を常に監視していますが、むろん、いずれも米国製です。

これらの兵器システムについても、やがては国産化できる日本国にしたい。

兵器製造を他国に依存する国は独立国とは言えないのですから。