きのう、自民党と公明党の両党は、2024年度税制改正を議論する税制調査会の初総会を開催しました。
とりあえず来年度(2024年度)の防衛増税は先送りされることとなり、2025年度以降の開始時期が今後の焦点となる見込みです。
いつも言うように、財源を捻出するには、概ね3種の方法があります。
1に増税、2に国債発行、3に他事業等の歳出改革
他事業等の歳出改革は広義の意味での増税ですから、本質的には増税か国債発行のどちらかか、もしくは両方になります。
因みに、政府の有識者らは既に「防衛増税」を提言し、国債発行を否定しています。
自民党内には国債発行を主張するグループがあることはあるのですが、残念ながらその政治力は弱い。
さて、あくまでも財源は増税(税収)でなければならないと主張する人たちの貨幣観は「商品貨幣論」であり、財源は国債でいいとする人たちの貨幣観は「信用貨幣論」となります。
商品貨幣論者は「おカネは金銀などの金属価値を内在したモノ(商品)である」と理解し、信用貨幣論者は「おカネは負債の特殊な一形式である」と理解しています。
むろん、貨幣観をよく理解せずに「国債でいい…」と言っているヒトたちも大勢おられることは言うまでもないことです。
いつも言うように、資本主義国家においては、民間銀行が企業の資金需要に対する貸出しを通じて「預金」という貨幣を無から創造し、企業が民間銀行に借金を返済すると「預金」という貨幣が消滅します。
そして、資本主義における政府は、中央銀行が、政府の需要に対する貸出しを介して「日銀当座預金(政府預金)」という貨幣を無から創造し、民間経済に貨幣を供給しています。
因みに、政府が財政支出する際に支出する貨幣とは、この日銀当座預金(政府預金)のことです。
また、政府が財政支出(国債発行)することで貨幣が創造される一方、政府が税金を集めることで貨幣は消滅します。
お解りでしょうか…
政府が債務を負うことで、財源(貨幣)が生み出されていることを。
しかも、税は財源(貨幣)を確保するための手段ではなく、その破壊の手段なのです。
ということは「財源は増税だ…」と言っている人たちは、皮肉にも「財源の消滅」を主張していることになります。
むろん彼ら彼女らは、そんなことを理解せずに増税の必要性を説いています。
実に滑稽な話です。