今日と明日の二日間、日銀では金融政策決定会合が開催されます。
この会合で、政府・日銀による10月の為替介入の有無が明らかになります。
もしも介入が無かった場合、まちがいなく円安が進みます。
イスラエルとハマス(パレスチナのイスラム組織)の衝突により中東情勢が急速に緊迫化していることなどもあって、円相場を決定する変数は増えています。
よって今週は、150円を挟んで大きく揺れ動く攻防が続くのではないでしょうか。
むろん、相場の世界ですので確証のあることは言えません。
さて、円安が続くと「日銀はいつまで金融緩和を続ける気なのだ…」という批判が高まりますが、日銀だって金融緩和を終了したいのは山々です。
しかしながら、実需に乏しい現今の経済情勢では、政府がそれなりの需要創出(財政支出)を拡大してくれなければ、そう簡単には金融緩和を終了させることはできないはずです。
需要があってこそはじめて、企業は銀行からおカネ(預金通貨というおカネ)を借りるのでございます。
預金通貨というおカネが増えないからこそ、そもそも日銀は金融緩和を継続せざるを得ないのです。
需要創出の財源は、むろん国債でいい。
何度でも言いますが、国債は返済不要な借金です。
政府の負債は増え続けていくのが世界の常識。
こう言ってもまだ、「孫子の世代に借金を先送りしてはならない」と主張するお〇〇さんが絶えない。
繰り返します。
孫子の世代どころか、これから将来の日本を背負うあらゆる世代に、返済の義務はありません。
政府の借金を完済する日は永遠にやってきません。
むろん、国債には償還期間がありますので、返済期限がやってきた個々の国債については返しますが、その代わり、繰り延べ(ロールオーバー)してまた借り直します。
これを未来永劫、繰り返します。
要するに「借り換え」の連続なのでございます。
借入金のロールオーバーは、政府のみならず一般企業でもごく当たり前に行っている日常業務ですが、一般企業とは異なり政府には寿命がありません。
日本国家が将来的に消滅する可能性がまったくのゼロだとは言いませんが、半永久的に存続することが前提として成り立っています。
このような考え方を「ゴーイング・コンサーン」と呼びます。
何よりも、日本国家を運営するため、日本政府は国債発行を通じて通貨を発行しています。
なので「国債発行残高」とは、要するに「通貨発行残高」に過ぎません。
よって、日本国家が存続する以上、日本政府は通貨を発行し続けなければなりませんので、国債という政府の負債がすべて返済されることなど絶対的にあり得ないのでございます。