革新市政に逆戻り!? 川崎市のまちづくり

革新市政に逆戻り!? 川崎市のまちづくり

街の発展は駅前広場の整備状況に比例する!

これは、市議会議員として活動してきたことで確信し得た、私の持論です。

川崎市多摩区には、登戸駅というJR南武線と小田急線が交差するターミナル駅があります。

この登戸駅から一つとなりの向ヶ丘遊園駅に至る地域一帯では、昭和63年から土地区画整理事業が行われています。

一つの土地区画整理事業にこれだけの時間を要したのには、様々な理由(失政)があるのですが、とにもかくにも令和7年度末にはようやく事業が完了する予定となりました。

一方、令和10年度には土地区画整理事業とは別に進められる『登戸駅前再開発事業』も終了する予定です。

ところが、これら両事業が完成しても、既存計画の駅前広場スペースでは、見込まれる各種の需要(人流や交通の規模)に対してキャパシティが全く足りません。

例えば、両事業後の登戸駅前広場は、同じターミナル駅である溝ノ口駅(みぞのくちえき)の3分の1のスペースしか確保されておらず、どうみても絶対的に駅前広場の面積が足りていません。

こうしたキャパシティ不足をどのように補っていくのか大いに疑問です。

そこで私は、昨年(令和4年)の12月議会において、バスやタクシーの乗降場として活用できるよう、『登戸駅前再開発事業』で計画されている「再開発ビル」の1階部分を駅前広場スペースとして活用して頂くなどの一案を示したところです。

ビルの1階部分を公的スペースとして提供してもらい、バスやタクシーの乗り場として活用させてもらうことは、技術的、物理的には可能であるとの川崎市当局による答弁も得ています。

しかしながらその後、当該再開発は既存計画のまま、アセスの縦覧で図面つきで公表され、地権者との話し合いも済んでしまいましたので、今からの設計変更はほぼ不可能となってしまいました。

市街地再開発に絡め、高層ビルの1階部分をバス・ターミナルなどの駅前広場スペースとして活用する手法は、既に渋谷駅や上大岡駅など多くの地域において実績があります。

にもかかわらず、こうした発想が川崎市当局には全くありませんでした。

横須賀線武蔵小杉駅が新設された際には、JR東日本の強い要望を受け、民間事業者の理解を得て駅前広場が急遽拡大された経緯があります。

そうした整備のノウハウが、川崎市当局(まちづくり局)に継承されていないことは誠に残念です。

自分の所管だけで物事を考え、すなわち「どのようにしたら川崎市を面として発展させることができるのか」という視点が欠如し、局内においてできる範囲の計画で済まそうとする、いわば革新市政時代の悪しき川崎市の古い体質がみられます。

こうした点こそ、市議会議員として厳しく指摘し、正さねばならないところです。