警鐘を鳴らしてきたとおり、中小零細企業にとって、より厳しい時期が到来しています。
帝国データバンクによると、上半期の倒産が5年ぶりに4,000件を超え、14年ぶりに全業種で前年同期を上回りました。
今年上半期(1〜6月)の倒産件数は4,006件(東京商工リサーチの統計では4,042件)で、負債総額は9,065億8,400万円となっています。
ただし、昨年の同月期にはマレリホールディングス㈱による超大型の倒産があったため、負債総額としては減っています。
とはいえ、今年3月以降は大型倒産が相次いだこともあって、前期(2022年7〜9月期)に比べると大幅に上回っています。
業種別では14年ぶりに全業種で前年同期を上回り、とりわけサービス業は前年同期の774件から958件となり、23.8%の増となり最も多い。
小売業では飲食店が同208件であったのに対し378件の倒産となり、上半期としては2020年(398件)に次ぐ過去2番目の件数となっています。
主因別にみても、不況型倒産の合計が3,197件となっており、2年連続で前年同期を上回っています。
やはり物価高や人手不足による倒産が急増しているようです。
一方、上のグラフのとおり、コロナ禍の2021年、2022年に倒産件数が減っているのは、営業自粛に応じた協力金、あるいはゼロゼロ融資(無担保・無利子融資)の影響かと思われます。
ことし2月、ゼロゼロ融資の返済がはじまった際、すぐに返済が滞り倒産してしまう中小零細企業が相次ぐのではないかと懸念しておりましたが、案の定です。
というより、コロナ禍以前から倒産件数は結構な数字で、むしろコロナ禍の協力金やゼロゼロ融資で一息ついた形になっています。
長引くデフレに加え、2014年と2019年の消費税増税が、決定的に日本経済(総需要)を破壊しています。
我が国のGDPは、おおよそ550兆円の規模をほこる世界有数の巨大経済です。
そのうち約6割が消費で、ゆえに国内の様々な企業が、このGDPの約6割の需要をめがけて多様なビジネスを展開しています。
むろん我が国には海外マーケットを対象にしたビジネスを展開する企業も多数存在しますが、それは国内の消費(GDPの約6割)よりもはるかに小さい規模です。
要するに、国内企業にとっての最大の客は、外国人でなく依然として日本人なのです。
ところが、その日本人の消費が「消費税増税」によって度々冷え込まされているのですから、国内企業にとってはたまったものではありません。
そのうえで、今日のような物価高や人手不足といった新たな試練に晒されているわけです。
なぜ政府は、ここまで日本経済と中小零細企業を痛めつける消費税を増税し続けるのか?
それについては、明日のブログで取り上げます。
因みに、まことに由々しきことですが、日本維新の会のなかには、なんとか倒産の危機を凌ぎつつ耐えに耐えて頑張っている企業を「ゾンビ企業」などと揶揄し、「ゾンビ企業なんて淘汰してしまえ…」と平然と言い放つ不届きな議員(政令市の市議会議員)がいます。
ここまでくるとネオリベラリズムなどを通り越して、ただただ人間としてクズです。
淘汰されるべきは「クズ」のほうです。