我が国は、国難の中にある。
残念ながら今の私には、この危機感を共有できる議員仲間が身近にいない。
国難とは即ち、国力の凋落、国民の貧困化、インフラの脆弱化、科学技術力の凋落、進む少子化、東アジアの軍事バランス崩壊、地方衰退、医療サービス弱体化、食料・エネルギー危機、ルサンチマン政治の蔓延などなどです。
これらの問題解決を妨げている根本原因は、言うまでもなく「緊縮財政」です。
緊縮財政を、新たな貨幣発行による積極財政に転換するだけで、この危機的状況を一転できることは明白なのにそれができない。
今後の我が国政府の財政指針を示した「骨太の方針2023」が6月16日に閣議決定をされていますが、当該方針の次の一文が緊縮財政の継続を決定づけています。
「令和6年度予算において、本方針、骨太方針2022及び骨太方針2021に基づき、経済・財政一体改革を着実に推進する」
この「骨太の方針2021に基づき…」の部分が重要です。
そこには、経済・財政一体改革について「2025年度PB黒字化を目指す」とあるのです。
では、2025年にPB(政府収支)を黒字化するためにはどうするか?
政府の試算ではこうです。
まず今年(2023年)は、民から約28兆円を吸い上げる。
次いで来年(2024年)は、民から約17兆円を吸い上げる。
しかし、それでもまだ足らなければ「増税が必要だ…」と岸田内閣は言っています。
それを決定づけているのが、「骨太の方針2023」の35ページに新たに追加記載された次の文言です。
「経常的歳出について毎年の税収等で着実に賄われる構造の実現に向けた取組を進める」
こういうときに役人文章を読み解く力が求められるのですが、ここで言う「経常的歳出」というのは、社会保障、少子化対策、防衛力増強のための歳出を意味しています。
そして「毎年の税収等で着実に賄われる構造の実現」が味噌です。
着実に賄われる…
即ち、「経済成長に伴う税収の自然増では駄目!」と言っています。
そうです。
「着実に賄われる…」というのは、ズバリ「増税による税収」という意味です。
要約すると「防衛とか、少子化対策とか、社会保障とかは、税制を変えて、即ち増税によって全額を税で賄いますよ」と言っています。
もうひとつ「骨太の方針2023」の17ページには、少子化対策については「国民に実質的な追加負担を求めることなく…」という文言があります。
なんですか、この「実質的な…」とは。
ふつうに、国民に追加負担を求めない、と言えばいいのに。
これは「増税するけど、その分はちゃんと少子化対策におカネを使うから行って来いでチャラでしょ…」と言っています。
くどいようですが、どうみても増税路線(緊縮路線)は確定なのでございます。
我が国は、まちがいなく亡国に向かって突き進んでいます。