政治の世界に身を置くものとして、私が最も嫌悪するのは、何の思慮もなく思いつきで御託を並べる無責任な連中です。
彼ら彼女らは「ピコン、ひらめいた…」みたいに、道理の通らない軽薄論を恥ずかしげもなく披露して憚らない。
ご多分に漏れず、川崎市議会にも何人かいます。
なぜこういう連中が嫌いなのかと言うと、この種の人間たちの政治参画こそが世の中にとって実に有害だからです。
そうした事例はあまりにも多すぎて枚挙に暇がない。
例えば、以下のとおり「再生可能エネルギーを普及すれば原発は要らない」というのもその代表例です。
来月に政府は「この夏、再び電気が足りなくなるおそれがある…」として、東京電力管内に節電要請する方針です。
しかしその一方、太陽光など再生可能エネルギーに頼ることができず、それらの発電が止められているのをご存知でしょうか。
去る4月、既に中部電力は再エネの出力制限に踏み切っており、今月4日までにあわせて12日間、一部の太陽光と風力を止めています。
今月4日には、関西電力も出力制御に踏み切り、日中の4時間半、太陽光と風力の一部の発電を止め受け入れを停止しました。
続いて、北陸電力もまた出力制限を行っています。
せっかく発電できるのに、どうして止めなければならないのかをご存知でしょうか。
理由は、広域停電を防ぐためです。
当該ブログでも繰り返し述べていることですが、電気は使う量と発電する量を常に一定に保たねばならず、そのバランスが少しでも崩れると電気の質が悪くなり発電機が停止し、その結果、広域停電となってしまうのです。
ご承知のとおり、電気は瞬間的に停電しただけで個人も企業も大きな経済的ダメージを被ります。
いわゆる「瞬時電圧低下事故」で、名だたる製造業が何百億円の損失を被ったのは記憶に新しいところです。
即ち、電気が足りなくても停電するし、電気が余ってもバランスが崩れ停電するために、調整に困難な電源である「再エネ」を止めているわけです。
そうです、再エネは不安定電源なのです。
こんなシロモノが原発の代替エネルギーになんかなることなどあり得ないにもかかわらず、「これからは原発を止め、再エネで…」などと叫ぶものが未だ後を絶たない。
特に日本は、自然災害大国であることから太陽光には不向きであり、北欧のように風力発電に適した強風地帯が少ない。
川崎の臨海部にも2〜3本、まるで観光モニュメントのように風車式の発電プロペラが回っていますが、いつも勢い悪くノロノロと回っています。
以前、視察に行った際に「まるで電気を使って、ようやく回っているようだ…」と揶揄した記憶がございます。
東日本大震災のあと、菅直人内閣が「FIT制度(再エネの電気を電力会社が買い取る制度)」をつくり、当時は買取価格が実に高かったこともあって太陽光パネル発電が急速に普及拡大しました。
関西電力管内では、震災から10年あまりが経ち12倍に、また中部電力管内でも15倍に増えています。
最大発電時で大型発電所数基から10基分に相当する太陽光が設置されたことになります。
その一方で原発を止めたわけです。
こんなことで、エネルギー安全保障を確立できるわけもない。
おかげで電力料金は上がるばかりで、多くの国民の生活を圧迫しています。
それでも「再エネを普及拡大し、原発を止めよ…」と無責任に主張してきた人たちは、その一切の責任を取らない。
だから、無責任なのです。
昨今、無責任な思いつきで「改革!、改革!」と叫ぶ者も増えてきました。
そういえば、精神科専門医の銀谷翠先生が実に興味深いことを言っておられました。
[https://www.youtube.com/shorts/ehEkClARY4s]