日本政府は、自国通貨建てで国債を発行し、かつ変動為替相場制を採用しています。
ゆえに、日本政府に「財政破綻…」など絶対にあり得ません。
にもかかわらず、財務省は「財政が破綻するぅ〜」という嘘を喧伝し続けて憚らない。
そんな財務省は、子供向けにだって平然と嘘をつく。
財務省のホームページには、我が国政府の財政状況を子供向けに説明するコーナーがあります。
そこには、上記のグラフとともに次のような記述があります。
「国の財政は、1年間の支出である『歳出』が税金による収入(=『税収』といいます)などよりも多い『財政赤字』の状態にあります。 税収などよりもたくさんお金を使っているわけですから、足りない部分は『公債』という借金をする必要があります。歳出と税収の差はワニの口のように開き、税収の不足を補う公債の残高がどんどん積み上がってきています。令和4年度末の公債の残高は約1,026兆円になると見込まれています」
これを読めば、子供でなくとも「やっぱり日本の財政事情はことのほか厳しいのでは…」と思ってしまう人たちがほとんどでしょう。
ワニの絵を見ながら「収入(税収)に対して歳出のほうが多いのだから、ワニの口(借金による穴埋め)は広がるばかりだ…」と。
しかしながら、この財務省が言う『ワニの口』にはカラクリがあります。
国民の皆さん、財務省の巧みな言葉の定義操作に騙されてはいけません。
本来、「収入」と「支出」を比較するのであれば、一般会計の「歳入」と「歳出」を比較すべきですよね。
ところが、説明文をよく読んでみてください。
財務省は「歳入」と「歳出」ではなく、「税収」と「歳出」を比較しています。
ここで言う「歳出」の中には国債費(国債償還費と利払い費)が含まれていますが、「税収」の中には税収以外の例えば公債費等が含まれていません。
それではあまりにもアンフェアではないか。
一般会計の「歳入」には、当然のことながら税収以外の収入も含まれます。
なのに、どうして「歳入=税収」とやるのか!
しかも「税収の不足を補う公債の残高がどんどん積み上がっている…」とやる。
公債の残高とは、要するに「政府が発行した貨幣の残高」に過ぎないことを財務省は絶対に隠します。
また、子供向けのみならず、財務省がつくる財政資料にはことのほかインチキが多い。
例えばOECD(経済協力開発機構)は定期的に加盟国の経済情勢や経済政策を審査しています。
そこで、日本に対する経済審査報告書を確認しますと、なんと一般政府の歳出の項目には国債償還費など含まれていません。
しかも「歳入」の中に社会保険料が含まれています。
即ち国際基準では、歳入には税収以外にも「社会保険料」が含まれるのでございます。
社会保険料とは、社会保障給付費を賄うために国民が負う負担であるわけですから、税収と同様に歳入に含めるほうが適切であると考えられているわけです。
そりゃぁそうですよね、社会保険料は私たち国民が得た収入から支払うのですから税金と何ら変わりません。
なのに上記の「ワニの口」では、やはり収入の中に社会保険料は含まれていません。
一方、財務省が作成する財政資料では、「日本の国民負担率の低さ…」を強調したいときにだけ社会保険料が出てきます。
国民負担率とは、GDPに占める「税金+社会保険料」の割合のことです。(これも国際基準)
これまた財務省は国際基準を無視して、GDPに占める…ではなく、国民所得(NI)に占める…「税金+社会保険料」で比較し「欧州諸国に比べ、日本の国民負担率はまだまだ低いんですよ…」とやる。
なぜなら、分母となる国民所得(NI)には、間接税(付加価値税)負担分が入らないからです。
国民所得(NI) = 国民純生産 – 間接税
付加価値税とは日本で言うところの「消費税」です。
付加価値税の税率が日本よりも高い欧州諸国では、当然のことながら分母の国民所得(NI)は日本よりも小さくなります。
そうやって狡猾な手段を使ってでも「日本の国民負担率はまだまだ低い…」と言って財務省は国民を騙しにかかる。
なんのために?
増税(税率の引き上げ)こそが財務省の省是だからです。
彼らにとっては、国益よりも省是が優先する。
なんどでも言います。
財務省が言う「ワニ」など、はじめから存在しない。