「核保有税徴収機関」設置のすすめ

「核保有税徴収機関」設置のすすめ

広島サミットは最終日を迎え、今夜、G7や招待国の首脳らによるセッションが行われるとのことです。

G7首脳の平和記念資料館(原爆資料館)の視察で開幕した今回のサミットですが、それにつけても「被爆地から核廃絶の道をひらけ…」というのは、政治的な目標というより極めて非政治的な理想であって、G7で取り扱うには実に困難な議題かと思われます。

それに、ロシアとの戦争拡大のチキンレースを仕掛け、ロシアの核使用を煽っているかのごときゼレンスキーという武器バイヤーが来るというのですから、G7の意味は全く歪められることになります。

世界紛争を抑止することが目的であるべきG7が、皮肉にも戦争拡大のために奔走するわけです。

まことに不幸なことに、人類は「核」の知識を得てしまいました。

この地球上から核兵器を廃絶することはできても、核に関わる知識までをも廃絶することは不可能です。

仮に核廃絶が実現されても、その知識が根絶されない限り核開発はいつでも可能ですので、この世から核兵器を廃絶することなど絶対に不可能なのです。

むしろ、核を廃絶した瞬間こそがカオスのはじまりとなります。

そもそも限られた大国による核兵器の保有が、長きにわたり世界大戦のストッパーとなってきたのは紛れもない事実です。

だからこそ、「核の拡散」と「非対称脅威による撹乱」こそが、国際平和に対する真の脅威と位置づけられてきたわけです。

そして、我が日本国もまた国際平和を希求する国家の一員として、その寄与度の大小はともかく集団安全保障体制に参画することで、核の拡散と非対称脅威による撹乱の物理的除去に努めてきたのでございます。

理想とは、実現可能性がある場合には理想となり得ますが、それがなければ単なる「非政治的妄想」となってしまいます。

そうであれば、例えばNPT体制を核保有税徴収機関として改組する提案をしてみてはどうか。

核保有国から核弾頭数に比例した核保有税を徴収し、その財源を犯罪的格差によって苦しむ世界の貧困層の直接支援に向ける。

そうした国際制度を構築することを提案すれば、それこそG7議長国としての存在意義も高まります。

税は財源ではありませんが、炭素税やタバコ税のように「減らしたいモノ、無くしたいモノの…」に税を課すことにより、その目的を達成するための政策機能を果たします。