新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが、これまでの「2類相当」から「5類」へ移行されました。
今後は、緊急事態宣言など法律に基づく「行動制限」や「入院勧告」などは出されなくなり、マスク着用をはじめとした感染対策は基本的に個人が判断することになります。
これまで公費負担だった医療費も、季節性インフルエンザ同様に自己負担が生じます。
ようやく5類に移行されたのは誠に結構なことですが、当面のあいだ懸念されるのは第9波でしょうか。
襲いかかる株は「オミクロン株」に変わりはないものの、「状況によっては第8波を上回る恐れがある」と指摘する専門家もいます。
とりわけ、私が最も懸念するのは、4月の市議会議員選挙においても強く訴えきた「医療提供体制」です。
例えば厚生労働省は、ベッド数の確保に自信を示しているようですが、感染が再拡大した際、はたして計画数通りに入院患者を受け入れることができるかどうかは実に怪しい。
現にパンデミック発生当初、本市がコロナ病床を確保しようとしたものの、協力に快く応じてくれなかった民間医療機関が少なからずありました。
川崎市内で確保したコロナ病床のうち約4割を市立病院の病床が占めました。
因みに、ご存知でしょうか…
市立井田病院などは、コロナ・パンデミックが発生する直前まで、国(厚生労働省)から「近隣の医療機関と医療機能が重複しているから病床を含めて医療提供体制を縮小しろ」という勧告を受けていました。
もしも国から言われたとおりに縮小していたなら、どうなっていたことか考えただけでも恐ろしい。
勧告の直後にコロナ・パンデミックが来たため、医療機能の縮小から免れて何とかコロナ病床を確保することができたのでございます。
今では、厚労省などは勧告など無かったかのような振る舞いに転じています。
さて、もう一つの懸念は、ウイルスが新たに変異することかと思われます。
もしも多くの人が重症になるような「変異ウイルス」が現れれば、対策の見直しが迫られることは必至です。
2020年以来、3年あまりの経験により、新型コロナウイルスの特徴や戦い方が見えてきた面もありますが、新たなパンデミックが発生しないよう、基本的な感染対策は続けねばならないのだと思います。