きのう(4月28日)、財務相の諮問機関である『財政制度等審議会』の分科会が開催され、少子化対策が議論の対象となりました。
少子化対策の財源については、「企業を含む社会・経済の参加者全員が広く負担する新たな枠組みの検討が必要」と指摘され、例によって増税の必要性が議論されています。
財源を税に求めていることにも呆れますが、まずは少子化の真の要因を掴みきれていないことにガッカリです。
国会議員であれ、地方議員であれ、少子化対策といえば必ず「子育て支援策」の必要性を訴える人たちが多い。
むろん、子育て支援策は福祉政策であることに間違いはなく、それはそれで必要なのですが…
子育て支援策 = 少子化対策
…ではない。
わが国においては、少子化の主因は非婚化にあります。
そして非婚化の主因は、①雇用環境の悪化と所得の低下、②東京一極集中の二つです。
①②を解決する処方箋は次のとおり。
1.移民を入れないこと
2.緊縮財政から転換し、公共投資の「選択と集中」を中止し、地方を中心に交通・防災インフラを整備すること
3.医療・介護・土木建設など、政府が労務単価を引き上げられる分野の支出を拡大すること
4.非正規の公務員をすべて正規化すること
5.労働規制を強化し、実質賃金引き上げを目指すこと
6.政府が企業の生産性向上の投資を全面支援すること
7.東京から地方への家計・企業の移動を免税・減税政策で推進すること
実は1〜7の対策は、これ即ちデフレ対策です。
わが国の場合、少子化対策とデフレ対策はイコールなのでございます。
現在の日本の少子化及び人口減少は宿命でも何でもなく、たんに政策の必然です。
日本政府が「緊縮財政」を継続する限り、我が国を悩ますデフレもコストプッシュインフレも解決されることはなく、ただただ少子化が継続されるだけなのです。