自国通貨建てで国債を発行する政府が、デフォルト(債務不履行)に陥ることは物理的にあり得ない。
即ち、「円」という自国通貨を発行できる日本政府が、円建ての国債(負債)を償還できなくなることなど起こり得ないのでございます。
あり得るとすれば、なにか特別かつ政治的な思惑や理由から、償還期日がきても敢えて元利金を支払わなければデフォルトすることになりますが、むろん、そんなことをする必要性がありません。
財務省は、2002年5月2日付けの『外国格付け会社宛意見書』において「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と述べていることから、いかに国債発行残高が膨らみ続けようとも日本政府が円建て国債を返済できなくなる事態など起こり得ないことを財務省も組織として認めています。
よって、巷で言われているような「ニホンはシャッキンでハタンするぅ~」という日本の財政破綻論は、まったくの嘘です。
信じ難いことでしょうが、財務省(財務官僚たち)は「財政収支を縮小均衡させることこそが正しい…」と宗教的に盲信しています。
ゆえに「財政破綻論」を国民に信じ込ませ、緊縮財政(収支の縮小均衡)を正当化しているわけです。
要するに、緊縮財政(収支の縮小均衡)が財務省の省益となっているのでございます。
ところが、ネット時代の到来もあって、その嘘が徐々にバレはじめています。
徐々に追い詰められ危機感をもった財務省は、あの手この手で巻き返しを図ろうとしています。
例えば、現在開催されている通常国会で、去る4月7日に次のような法律案(内閣提出法案)が全会一致で可決成立されています。
『国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案』
当該法律を改正する理由は、次のとおりです。
「加盟国の復興又は開発を支援するため国際復興開発銀行に設けられる基金に充てるため我が国から拠出することとなるのに伴い、当該拠出について国債による拠出を可能とする等の措置を講ずる必要がある」
要するに、ウクライナ支援などの国際貢献を目的とした基金への、国債による拠出を可能にするための法律改正なのですが、ここまではいい。
問題は、当該法律改正には次の一文が加えられていることです。
「当該基金に対し外国通貨建て国債による拠出を可能とする」
ポイントは「外国通貨建て国債による拠出…」の部分です。
つまり、財務省は外債による拠出を可能にしようとしているわけですが、上のグラフをご覧のとおり、現在の日本の外貨準備高は円ベースで160~170兆円という実に巨額な準備高が貯まりに貯まっています。(世界第2位の保有高)
にもかかわらず、どうして今さら外債を発行しなければならないのでしょうか。
実に不可思議です。
おそらくは、無理やり外債を発行することで、「自国通貨建て国債のデフォルトはないけど、外債のデフォルトはあり得るのだから緊縮財政させろ…」と言いたいのでしょう。
財務省、そこまでするか!