新自由主義による行政統治の破壊

新自由主義による行政統治の破壊

川崎市には市立病院が3つありますが、お隣の横浜市には横浜市立の病院だけで6病院あります。

加えて横浜市には市立病院のほか、県立病院や国立病院まである。

一方、本市には県立病院も国立病院もありません。

一つの地域に、市立、県立、国立の病院があることをもって、「三重行政…」などと批判をする人たちがいますが、こういう人たちのことを新自由主義者(ネオリベラリスト)と言うのでしょう。

しかしながら、一つの地域に各種の公的医療機関をもつことの意味は大きい。

コロナ・パンデミックのときもそうでしたが、いざというとき一般病床を感染症受け入れ病床に転換し、必要な医療を率先して提供したのは公的医療機関でした。

むろん、公的医療機関は国や自治体による統治が効きますので、スピーディ、計画的、大規模に対応することができるわけです。

川崎市でも、コロナ患者を多く受け入れたのは市立病院でした。

川崎市内には20床以上の病床をもつ医療機関が39施設ありますが、コロナ病床の約4割を市立3病院で用意したのです。

因みに、その一つが市立井田病院ですが、なんとコロナ以前に国(厚労省)は「井田病院は近隣の医療機関と医療機能が重複しているから医療機能を縮小せよ…」と勧告しています。

結局、コロナ・パンデミックの際、市立井田病院が多くのコロナ患者を受け入れたこともあって、その話は有耶無耶となり、今となっては勧告など無かったことになっています。

何度でも言います、いざというとき国民を救うのは公の力です。

行政の役割を大きくしなければ国民を守ることはできない。

公の力を弱くすることは国民を守る力を弱くするということであり、新自由主義は「それを良し」とするイデオロギーです。

役所とは、役に立つ所と書いて「役所」と言います。

新自由主義は、役所を役に立たない所にするイデオロギーと言っていい。

行政の果たすべき役割を破壊する新自由主義から市民(国民)を守る、それが三宅隆介の「保守の逆襲」です。