ある時期から、地方行政において「市民参加」という言葉が跋扈するようになりました。
「市民参加」といえば一見すばらしく、いかにも民主的な響きのある言葉です。
しかし私は、この言葉の背景に実は恐ろしい革命思想が潜んでいることを当初から指摘してきました。
遡ること平成12年11月、日本赤軍の元幹部・重信房子が逮捕されました。
よく知られているように、日本赤軍は「よど号事件」の実行犯です。
その重信房子が逮捕された際、いくつかの証拠品が当局によって押収されたのですが、その中から驚くような事実が発覚しています。
平成13年3月28日付けの『産経新聞』によれば…
①日本赤軍が新たな“革命”を目指している
②日本赤軍とは、昭和44年に過激派『共産同』から分派した『共産同赤軍派』が母体となって設立し、武力による世界同時革命を目指す国際テロ組織である
③その日本赤軍が新たな革命の道具として、当時すでに消滅の危機に瀕していた社民党が利用されている
…とのことで、さらに産経新聞によると…
平成8年に党首となった土井たか子氏は「市民のきずな」をキーワードに「市民参加」を標榜し、平成9年4月、政策提言のための市民グループ『市民政治フォーラム』を立ち上げ、即ち社民党が復活をかけた「市民参加政治」が、日本赤軍に付け入るスキを与えたという。
そこで、日本赤軍の次のような戦略を立てる。
冷戦構造崩壊後、市民参加をキーワードに低迷脱却をめざしていた社民党に市民団体を通じて浸透し、やがて国政にも影響力を持つ!
また、警視庁公安部と大阪府警の合同捜査本部が重信房子の所持品を調査した結果、「社民党との共同と工作」と題された文面が見つかった。
そこには、社民党について「社民の積極的役割である理念と国政の役割に対して、よりその力が発揮できるよう工作していく」などと位置づけられていた。
要するに、社民党に対し「市民」を装って浸透工作を行い、革命を画策するということらしい。
社民党が立ち上げた『市民政治フォーラム』は、様々な市民団体と交流をもっていたらしく、その団体の一つに『希望の21世紀』という団体があり、この団体は重信房子の所持品の分析から、平成7年6月、『人民革命党』の大衆部門として組織されたものであることが判明している。
調査関係者は、『希望の21世紀』の『市民政治フォーラム』への接触は、背後の日本赤軍・人民革命党が徐々に社民党に影響力を強めようとする浸透工作だったと指摘しています。
なお、捜査本部はこれまでに、社民党の保坂展人氏(現在の世田谷区長)の運動員や社民党系地方議員らの関係先を家宅捜査したという。
(以上、平成13年3月28日付け『産経新聞』の記事を要約)
以上のような経緯からも解るように、そもそも「市民参加」という言葉は、日本解体を願う反日左翼集団らの黒い意図をかくす煙幕となってきました。
「革命」を正面きって掲げていては革命が叶わなくなった昨今、「革命」という言葉を「市民参加」にすり替えたわけです。
ここで侮ってはならないのは、政治勢力としての社民党の党勢は確かに弱体化しているものの、その思想は意外にも未だまだ根強く世間に浸透していることです。
現に、多くの地方自治体では、行政が率先してこの「市民参加」を標榜しています。
標榜しているのみならず、困ったことに地方自治体の多くが「市民参加」の美名のもとに、様々な条例や制度を制定しています。
例えば川崎市でも、「自治基本条例」「住民投票条例」「議会基本条例」など、市民参加を掲げる条例が制定されています。
現行の占領憲法や自治法でさえ代表民主制を原則としており、その補完機能として直接民主制を謳っています。
にもかかわらず、市民の直接参加の名のもとに市民参加型条例が制定され、代表民主制の原則を逸脱しています。
しかも問題は、市民の定義を「主権を有さない外国人」にまで広げ、本来の意味での市民ではない人たちが、選挙や議会においてオーソライズされていない政策や行政サービスを実効性あるものにしようとしています。
川崎市議会の常任委員会においても、主権者ではない外国人市民に発言の機会を与えています。
結果、「国民たる住民」の主権は侵され続けています。
本来、こうした革命思想に敏感であるべき政治勢力こそが「保守」です。
残念ながら現在のわが国には、地方議会にも国会にも健全たる保守勢力が不在です。
ゆえに私は川崎市議会議員として、ひとり逆襲します。
それが自分自身に課した「保守の逆襲」です。