ゴールドマン・サックスの日本法人はM&Aの助言や債券の引き受け、あるいはトレーディング事業など伝統的な投資銀行業務を中心に展開していますが、近年は資産運用業を軸に商業銀行事業の展開に向けた手続きを進めています。
M&A(Mergers and Acquisitions)とは、資本の移動を伴う企業の合併と買収を意味します。
そのゴールドマン・サックスが日本の金融庁に対し『銀行業務の営業免許の申請手続き』を行っていたことが、2年前の2019年5月の段階で既に報道されていました。
それに平仄を合わせるかのように、現在開催されている通常国会(5月19日)で改正銀行法が成立しています。
改正銀行法のポイントは、これまで事業会社への出資上限は原則5%(持ち株会社では15%)でしたが、規制が大幅に緩和され非上場企業への100%出資が可能になったことです。
むろん、ゴールドマン・サックスは将来的に銀行法が改正がされることがわかっていたのでしょう。
ゴールドマン・サックスが言ってきた「収益源の多様化」とは中小企業のM&Aで儲けることだったわけで、外資系M&Aによる日本の中小企業潰しは既に2019年から計画されていたことになります。
言わでもがな、銀行法改正に暗躍したと思われるデービッド・アトキンソン氏の出身企業はゴールドマン・サックスです。
加えて、恐ろしいことに菅政権は、2030年までに対日投資を80兆円にまで拡大させる方針を示しています。
どこまで外資に日本企業を買い漁らさせるつもりなのでしょうか。
本来の銀行業務とは、設備投資やR&D投資を行う企業に対し融資を行い、企業と経済を成長させることです。
融資せず、出資比率を高めて経営権を奪い、その企業を売り買いして銀行の収益をあげるというのですから実に酷い話です。
さて、そこでターゲットになるのが中小企業です。
例えば東京の大田区には、下町ロケットのように高い技術力を有した中小企業が集積しています。
川崎市にも、川崎区、高津区、中原区を中心にそうした中小企業が集積しています。
これらの企業は長引くデフレ(需要不足)によって経営体力を毀損され続けてきたのは周知のとおりです。
アトキンソン氏は「日本の中小企業は生産性が低い」などと言うけれど、それは大資本に比べての相対的な話です。
それに日本経済がデフレを脱却し、需要の拡大していく真っ当な経済に戻ってくれさえすれ、必ずや中小企業の生産性は向上していきます。
外資を含めM&Aで一儲けしようとする輩たちが、日本経済のデフレ放置を望んでいる理由がわかります。
デフレによって中小企業を痛めつけ、体力を失った中小企業をM&Aの対象にしようとしているわけです。
因みに、既に中国系資本の5つの銀行が日本国内での銀行免許を取得しています。