今朝、6時半ごろ、東京23区を震源とする地震がありました。
といっても小さな地震で津波の心配もなく、私の住む川崎市多摩区は1度の揺れにとどまりました。
実はその約4時間前には石川県能登地方で、1時間後には沖縄本島近海でも同程度の小さな地震がありました。
ご承知のとおり、わが国は世界屈指の自然災害大国です。
ほぼ毎日、国土のどこかで必ず地震が発生しています。
一年に一回はマグニチュード7.0程度の地震が発生している国などほかにないでしょう。
昨年の2月にはマグニチュード7.3、翌3月にはマグニチュード6.9が東北地方の太平洋沖で発生しています。
二つの震源地はいずれも海底でしたが、例えば仙台市直下が震源であったなら甚大な被害が出ていたことでしょう。
これらの地震は2011年の東日本大震災の余震らしいのですが、現在の地震学をもってしても次にどこで地震が発生するのかを予測することは難しいようです。
ただ、どこで発生するか予測することは不可能でも、どこでどんな地震が発生したらどのくらいの被害がでるのかを予測することは可能です。
例えば内閣府は、首都直下地震(マグニチュード7.3以上)が発生した場合の被害想定をすでに発表しています。
人的被害は、負傷者は最大で12,300人、死者は最大で23,000人とのこと。
当たり前ですが、地震の揺れによって木造住宅を中心に多くの建物が倒壊しますし、同時に火災が多数箇所で発生し延焼が2日程度継続するようです。
そして人的被害のみならず、経済的被害も甚大となります。
地震発生当初、火力発電所の停止により電力供給は半減、それはそれは広範囲にわたって停電となり、そんな不安定な電力状態が1週間以上は継続します。
携帯電話・固定電話の音声通話はほとんど期待できず、メール送信も遅配が発生します。
主要道路の啓開には少なくとも1日〜2日を要すことでしょうし、都区部の一般道は極度の交通麻痺が数日間継続し、厳しい渋滞は数週間も継続することになるという。
地下鉄も1週間は運行が停止され、JR在来線および私鉄の運行停止は1か月程度継続するとみています。
よって経済被害は、資産等の被害だけでも47.4兆円です。
ほか、生産やサービス低下に起因するため経済活動への影響は全国で、47.9兆円となり、合計で95.3兆円となります。
そのとき、もしも現在のような円安状態が続いていたら被害はもっと甚大となります。
北朝鮮問題をはじめ、中国の軍拡と台湾有事などなど、安全保障上の脅威が増していることが懸念されていますが、わが国にとっての脅威は戦争のみならず自然災害にも及びます。
今、政治の世界では防衛費を5年間で43兆円にするための財源論が議論されていますが、わが国には自然災害の脅威から国民を守るためのインフラ整備(国土強靭化策)も求められています。
防衛費の増額分を確保するために、例によって①増税、②他の歳出カットの必要性が議論されています。
実に馬鹿げた議論で、これでは国土強靭化のための予算確保にも①②が必要だと言う理屈になってしまいます。
ひょっとして防衛費を増やすために国土強靭化予算をカットするのでしょうか。
防衛予算であれ、国土強靭化予算であれ、ふつうに国債を発行すればいいだけの話です。
だいぶ以前から内閣府は「30年以内に首都直下地震がくる」という予測を出しています。
即ち、今日、今この瞬間に発生しても不思議ではないのでございます。