明治節(明治大帝が生誕された日)のきのう、北朝鮮が弾道ミサイルを相次ぎ発射しました。
ミサイルが日本列島を超えたのか、それとも超えなかったのか、残念ながら日本政府は正確に把握することができず、前回に続いてJアラートも混乱しました。
韓国軍合同参謀本部によれば、北朝鮮は午前にICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられる長距離弾を1発、短距離弾道弾を2発、加えて夜にも短距離弾道ミサイル3発を発射したとみられており、どうやら韓国の情報のほうが正確だったようです。
ミサイルの弾道を正確に把握できないのでは、我が国の迎撃システム機能(①イージス艦からのスタンダードミサイルによる迎撃、②パトリオットミサイルによる迎撃)についても不安と疑義が生じます。
因みに、例え迎撃システムが正確に機能したとしても、撃ち落とせるのはあくまでも局地限定であって、日本全土をカバーすることはできません。
ゆえに、北朝鮮による日本本土への核攻撃から日本国民を守るためには、日本の各地に核シェルター(駅地下兼用)を設置することで対応するほかないのでございます。
今回の北朝鮮による弾道弾の連続発射は米韓合同軍事演習に対する反発(報復)のようですが、本日(4日)に終了する予定だった米韓合同軍事演習は延長されることになったことから、朝鮮半島の緊張はさらに高まるのかもしれません。
さて、こうした北朝鮮によるミサイル及び核の脅威の高まりから、日本も核武装すべきだ、という意見が高まりつつあります。
こうした核武装論の背景には、北朝鮮のみならず「中国の軍備増強への対応」や「米国に対する日本の自主性確立」の問題もあるようです。
むろん、こうした議論を行うこと自体に、北朝鮮問題に対する米中露の態度をより真剣にさせるための外交手段としての効果があるので、今後もそうした議論を盛んにしてもらいたいところですが、その際に大事なことは、ただ核兵器の話をするのではなく、関連する全ての政治・軍事問題を広く漏れなく検討し、核を保有する場合、あるいは核を保有しない場合の外交の在り方、在来兵器による防衛力整備の在り方を含めて議論しなければならないと思います。
北朝鮮によるミサイル脅威に対しては「脅威対抗防衛力」によって対抗するほかはありませんが、我が国に対しハイブリッド戦(軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更措置)を仕掛けている中国に対しては「基盤的防衛力」によって対峙しなければなりません。
基盤的防衛力とはまさに国の存在感をを現すもので、領域の広さ、人口、経済力等々、国の全体の姿にバランスしたものでなければならないものです。
その国の基盤的防衛力は、その国の外交力そのものなのでございます。
例えば、「核を持たねば、尖閣が危うい…」という意見もありますが、私はそうは思いません。
中国が核による威嚇で尖閣を奪いにくることも、あるいは核攻撃により日本全土を占領しにくることも現実的にはあり得ません。
前述のとおり彼の国は、情報戦、宣伝戦、法律戦、経済戦、外交戦等々、あるゆる手段を組み合わせたハイブリッド戦を駆使して時間をかけ徐々に日本を支配していく戦略をもっているわけで、その戦略こそが我が国にとっての脅威なのです。
ここでいう脅威は、直接的な軍事的脅威とは異なります。
こうした中国が仕掛けるハイブリッド戦、あるいは超限戦に対抗するために求められる軍事力こそ「基盤的防衛力」です。
別の表現をすれば「GDP見合いの軍事力」ともいうべきものですが、その意味でも我が国の基盤的防衛力を整備するための軍事費が世界最低水準で低いのは周知のとおりです。
上のグラフをみても、G7のなかでも最低です。
因みに、分母となる政府支出そのものが、1997年以来の緊縮財政で伸びていないことを加味すると、その異常なほどの低さがよくお解り頂けるものとの思います。
因みに、歌手の長渕剛さんが、ご自身のライブで「北海道の土地を外国人に売らないでほしい…」とコメントしたところ、中国ではSNS上で大炎上したらしい。
長渕さんは別に特定の国を名指ししたわけではないのに、中国人のブロガーたちがSNSで長渕さんを叩いているという。
これも情報戦の一つと認識すべきです。