コロナ禍で売り上げが減少した中小企業を支援するため導入された、ゼロゼロ融資。
実質無利子・無担保で融資されたので「ゼロゼロ融資」と言います。
その返済が、来年(2023年)の7月以降に本格化します。
とはいえ、デフレとコストプッシュ・インフレとが同居する現今のような厳しい経済情勢では、無利子とはいえ、その返済がゼロゼロ融資を受けた多くの企業の経営を再び圧迫するのは必至です。
おそらく来年は「借り換え需要」が高まるものとみられます。
そこで経済産業省は、返済負担を軽減するための『借り換え保証制度』の案を示しています。
実に賢明な判断だと思います。
きのう開催された同省の中小企業政策審議会では、保証限度額を1億円とし、民間金融機関のゼロゼロ融資の上限額の6000万円を超える設定案がでています。
100%保証の融資は借り換え後も100%での保証を維持し、保証料は低い水準に設定。
保証期間は10年以内、元本の返済を猶予する期間は5年以内にするとのことで、あとは財務省と調整して決めるらしい。
ここでもまた財務省様のお出ましか…
さて、岸田内閣は真水(GDPを直接増やす支出)で29.6兆円規模の経済対策を閣議決定しました。
これを実現するためには現在開会中の臨時国会で補正予算案を通さねばならないわけですが、さっそくマスコミ(特にワイドショー番組)は例によって「財源がぁ〜」と悲観論を展開しています。
大下容子のワイドスクランブルでも、お馴染みの吉永みち子というコメンテーターが「また無駄遣いされたら困る」みたいに薄口なコメントをしていました。
しかも「財源は税金なんだから…」と言いたげな語調で。
ぜひとも「税金は財源ではない…」ことを誰か彼女に教えてやってほしい。
それに、今回の補正予算の財源はほぼ国債ですが、国債発行は未来の子どもたちへのツケにはならない。
国債は実質的に返済不要な借金であり、国債発行=通貨発行にすぎないのでございます。
例えば、明治政府がはじまって以来、我が国の政府の債務残高は、すでに4000万倍ちかくにまで膨らんでいますが、これだけ債務残高が膨らんでいるのに、戦中であれ、戦後であれ、日本政府は一度たりともデフォルト(債務不履行)に陥ったことなどありません。
これは紛れもない事実です。
この事実を、いわゆる財政破綻論者たちは合理的に説明することができず、吉永みち子氏などのコメンテーター、池上彰氏などのジャーナリストたちの多くもまた説明できないはずです。
適当に政治を批判することに使命を燃やす彼ら彼女らに対して、どんなに貨幣(財政)の現実を説明したところで、きっと理解する気などさらさらないのでしょう。
理解する気のない人を説得するのは誠に困難なことです。
それこそ「無駄」なのかもしれない。