きのうコンビニでバナナを買おうと思い、ふと袋綴じしてあったバナナを手にしました。
袋に記載されていた食品表示(PLUコード)をみたら、なんと8から始まる5桁の数字でした。
8から始まる5桁の数字は、遺伝子組換え作物です。
因みに、9から始まる5桁の数字なら、化学肥料や殺虫剤を使用していない、いわゆる有機栽培作物です。
「できれば遺伝子組換え作物は避けたい…」と思い結局は買わなかったのですが、棚に陳列されていたバナナは残り2本しかありませんでしたので、きっと私より以前に来店されたお客さんたちがこの「遺伝子組換えバナナ」を買っていかれたのでしょう。
私は遠慮しましたが、とはいえ、日本の畜産業が使用している配合飼料のほとんどは米国産のトウモロコシですから、例え国産のお肉を食べたところで、結局は遺伝子組換えトウモロコシを食しているも同然なのですが…
さて、遺伝子組換え作物の代表格は、トウモロコシ、大豆、採油用の菜種・綿です。
我が国では、これらの自給率が低いことは周知のとおりです。
トウモロコシの自給率はほぼゼロ%、大豆や採油用の菜種・綿の自給率は6%程度です。
その他、コーン油、ダイズ油、ナタネ油、綿実油などの食用油、コーンスターチやコーンシロップの多くが遺伝子組換え作物として流通しています。
遺伝子組換え作物については、2023年4月から任意表示制度がはじまりますが、はたしてどうか。
結局は、例えばアメリカで造られた遺伝子組換えトマトを中国企業が輸入し、それをイタリアあたりでトマトケチャップに加工して日本に輸出した場合、日本国内ではイタリアのケチャップとして売られ「遺伝子組換え作物」の表示義務はない。
ここまで遺伝子組換え作物が流通してしまうと、どんなに注意をはらってもそれを避けるのは困難です。
「遺伝子組換え作物」を遺伝子操作食品の第一世代と呼ぶのであれば、次に主流となる第二世代は「ゲノム編集作物」です。
ゲノム編集は、外部から特定の遺伝子を挿入する遺伝子組換えよりもさらに進化した遺伝子操作で、遺伝子そのものを切断(一部を破壊)する新技術です。
日本政府はゲノム編集作物について「遺伝子を挿入していないので安全だ…」という立場をとっています。
ゆえに厚労省は、ゲノム編集食品の安全審査は不要とし、2020年10月1日より届け出のみで販売許可を出す制度が開始されています。
しかも「届け出」は任意であり、なんと履行しなくても罰則はありません。
今はまだトマトと大豆だけですが、このままゲノム編集作物が多くの食べ物に普及して世に流通してしまうようなことになれば、私たち消費者がスーパーなどでゲノム編集食品を選別するのは、ほぼ不可能です。
トマトの自給率もまた我が国は7%で、その「種」はほぼ外国産です。
ゲノム編集トマトを開発したサステックシードは、昨年5月、国内の家庭菜園などにゲノム編集トマトの苗5000本を無料で配布しています。
このゲノム編集トマト(シシリアンルージュハイギャバ)には、血圧を下げ、ストレスを解消する効果のあるGABAが多く含まれているのだそうです。
血圧を下げるためなら、あるいはストレスが解消されるのであれば「喜んでこのトマトを食べたい…」という人たちも大勢おられることでしょう。
それはそれでいいと思います。
ただ、食したくない人たちのために、せめて「食の選択権」を確保してほしい。