昨日、川崎市議会(決算審査特別委員会・健康福祉分科会)で質問に立ちました。
限られた時間内で行われた決算質疑でしたが、色々なことが確認できました。
以下、その一つをご紹介します。
ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染拡大による影響は、人々の健康や命に直結する問題であるのはもちろんのこと、感染対策とトレードオフの関係にある経済活動への影響、あるいは重症患者の増加による医療圧迫など様々です。
とりわけ医療圧迫は、医療現場を野戦病院と化し医療従事者への負荷を過酷なものとしました。
コロナ対応の民間病院では、その受け入れ率にはある程度の「差」も見られたものの、圧倒的多数の医療従事者が奮戦してくださったことにより、その困難をなんとか乗り越えてきたことは多くの国民が知るところです。
そこで私は昨日の決算分科会で「これまでのコロナ陽性患者の延べ入院患者数と、市立3病院が受け入れた割合」について質問しました。
本市当局による答弁によると、川崎市内における各病院のコロナ陽性患者の延べ入院患者数は、86,676人です。
そのうち、32,350人(37.3%)、即ち約4割を川崎市立3病院(多摩病院、井田病院、川崎病院)が受け入れています。
なお、32,350人の内訳は次のとおりです。
市立川崎病院:10,662人(12.3%)
市立井田病院:12,784人(14.7%)
市立多摩病院:8,904人(10.3%)
以前にも当該ブログで申し上げたところですが、国(厚生労働省)はコロナ禍に突入する直前まで「市立井田病院は近隣の医療機関と医療機能が重複しているから医療機能を見直せ!」というお達しを出していました。
「重複しているから医療機能を見直せ…」には、もちろん病床や人員の削減も含まれます。
ところが答弁のとおり、そもそも全体の4割ちかくを公立病院が受け入れているのみならず、皮肉にも国から無駄と名指しされた市立井田病院が市立3病院の中でもっとも多くのコロナ陽性患者を受け入れています。
市立3病院で一番というだけでなく、民間病院を含めても川崎市内の医療機関で最もコロナ患者を受け入れたのが市立井田病院なのでございます。
もしも国が言う通りに市立井田病院の医療機能が縮小されてしまっていたら、その分、公立・私立を問わず他の医療機関への負荷が高まり、市内の医療は医療圧迫どころか医療崩壊に陥っていたかもしれません。
現在では「先のお達し」はまるでなかったことのようになっています。
ところで、新型コロナウイルス感染症による人口100万人当たりの死者数は、大阪府がトップなのをご存知でしょうか。
実数で見ても、何と大阪府は東京都を上回って全国トップで、一般的な感覚からすると死亡数は東京都のほうが多いように思えますが、実は大阪府がワースト1なのです。
なぜでしょうか?
むろん、大阪維新の会が行ってきた「新自由主義改革」にその理由があるとしか思えません。
大阪維新が行った新自由主義改革とは…
1.徹底した緊縮財政
2.赤字の医療機関は廃止、黒字の場合は民営化
3.千里救命救急センターへの補助金を廃止
4.大阪赤十字病院への補助を廃止
5.府立健康科学センターの廃止
6,府立公衆衛生研究所と市立環境科学研究所を統合縮小
7.感染症予防の研究や対策を担当する部署をリストラ
8.公立病院の医師・看護師(要するに公務員)を削減
…などなどです。
このように公的医療に関わる供給能力をひたすら削減してきたのですから、重症患者の受け入れ能力が乏しくなるのも当然でしょう。
何度でも言います。
新自由主義改革は、一切の危機をも想定していません。