我が国では安倍元首相の国葬の是非をめぐり、内閣の支持率がダダ下がりするほどに政治問題化しています。
それとは全く対象的に、きのうイギリスではエリザベス女王陛下の国葬が首都ロンドン中心部のウェストミンスター寺院で粛々と行われました。
国葬とはこういうものでなければならない、と思わせるほどの厳粛さでした。
世界各国から国家元首など2000人以上もの要人が弔意をしめすために参列したわけですが、その中でもひときわ特別な扱いを受けた国家元首がいます。
むろん、我が国の天皇陛下です。
ご承知のとおり、ロンドンはロンドン五輪並みの厳重な警備態勢です。
街中には武装した警官でいっぱいです。
英国政府は警備上の理由から、各国の元首に対して民間機で来るように要請していますが、天皇陛下だけは特別に政府専用機でロンドンに入っています。
到着したロンドンのスタンステッド空港では、英国王宮による手厚いお出迎えもありました。
葬儀会場となるウエストミンスター寺院までの移動も、各国の国家元首たちは一台のバスへの相乗りでしたが、天皇陛下だけは別に用意されたVIP車で移動される予定でした。(陛下は固辞され乗り合いバスで移動されたようです)
どうして我が国の天皇陛下だけ、このような特別待遇を受けることができるのでしょうか。
むろん、日本国の天皇陛下が、世界唯一の「エンペラー」(皇帝)だからです。
国家元首の接遇には、外交儀礼上の接遇ルールがあります。
接遇ルールの優待順位は…
1位 エンペラー
2位 キング及びクイーン
3位 大統領
4位 首相
…となります。
なぜ、エンペラー(皇帝)のほうがキング(王)やクイーン(女王)よりも上位になるのかというと、キングやクイーンを束ねるのがエンペラー(皇帝)だからです。
とはいえ、現在の天皇陛下はキングやクイーンはもちろん、封建領主を束ねているわけではありません。
ではなぜ、世界は天皇陛下をエンペラー(皇帝)として認めているのでしょうか。
その理由は、皇室という世界で最も古く歴史ある王朝が万世一系(男系)で継承されているからです。
現在の英国王室でさえ世界第3位の歴史(鎌倉時代初期ごろ)であり、第2位のデンマーク王室でもそのはじまりは平安時代中ごろです。
むかし渡部昇一先生から教えて頂いたことですが、渡部先生がとあるドイツ人から日本の天皇について尋ねられた時、次のようにお答えになられたそうです。
「初代天皇の神武天皇から五代さかのぼると、皇室の先祖として崇められている伊勢神宮の神様にたどり着く。それは、アガメムノンの子孫が絶えることなく、いまなおギリシャの国王であったならどうか?」と。
そのドイツ人は大いに感銘したとのことです。
しかも、ただ血統で継承されているわけではありません。
男系継承によって君臨しているところに我が国の皇室の価値があり、それを国際社会が評価しているわけです。
でなければ、王を束ねているわけではないエンペラーをエンペラーとして認めるわけがありません。
ゆえに、もしも男系継承が断たれるようなことになれば、国際社会は我が国の天皇陛下をエンペラー(皇帝)として見做してくれなくなります。
世界唯一のエンペラーを、私たち日本国民はなんとしてでも守り続けていかなければならない。