保守は国民の分断を恐れる

保守は国民の分断を恐れる

京都大学大学院の藤井聡教授によれば、大阪ではここ数年、教育現場の荒廃が進んでしまったとのことです。

例えば大阪府の「小・中学校での1,000人当たりの暴力行為発生件数」都道府県ランキングをみますと、橋下氏の就任時(平成20年度)は全国ワースト6位(7.7件:全国平均は4.2件)だったのですが、既に平成26年度の時点で全国ワースト1位(10.6件:全国平均は4.23)に転落しています。

あるいは、大阪府(小中学校)の「1,000人当たりの不登校児童生徒数」都道府県ランキングでも、就任時(平成20年度)は全国ワースト18位(12.1件:全国平均は11.8件)だったのが、やはり平成26年度の時点で全国ワースト6位(14.0:全国平均は12.1件)となってしまいました。

小・中学校の荒れ具合も酷く、学力テストの成績も振るわないという。

結果、上のグラフが明らかにしているとおり「大阪では教員のなり手がいない…」という状況に陥っているとのことです。

このことは今後数十年にわたり、大阪の教育環境に甚大な影響を及ぼすことになるかもしれません。

なにせ優秀な教職人材は大阪を避け、京都や兵庫に行って教職に就こうとされるでしょうから。

どうして、このようなことになってしまったのでしょうか。

昨今の政治的風潮として、公務員を「特権集団」のように喧伝する政治手法があります。

それを攻撃して市民の公務員ルサンチマンを票によって回収するというやり方です。

例えば格差と貧困の拡大する大阪において「公務員は競争のない職場で堕落しており、ただただ高い給料(税金)をもらって安穏に暮らしている。だから抜本的改革が必要だ…」とやる。

このようにして公務員は「特権集団…」というレッテルを貼られ、執拗にして不寛容な攻撃と排斥の対象とされしまったわけです。

結果、公務員と市民(国民)との間に分断の楔が打ち込まれていったのです。

国民の分断は「保守」がもっとも恐れることです。