来月、政府の重要課題や翌年度の予算編成の方向性を示す、いわゆる「骨太の方針」が発表されます。
「骨太の方針」は俗名で、正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」です。
この「骨太の方針」にプライマリーバランス(以下、PB)の黒字化目標が明記されるのかどうかが注目されます。
PB黒字化目標の凍結を目指してきた自民党内の積極財政派は、ここにきて党内対立が表面化することを懸念しているらしく、少しトーンダウンしているようです。
去る17日、自民党きっての積極財政派である西田昌司参議院議員が本部長を務める財政政策検討本部は「骨太の方針」に向けた提言をまとめましたが、「PB黒字化目標の凍結」には踏み込んでいません。
一方、今日の午後、バイデン米大統領が来日し、岸田総理は首脳会談に臨みます。
そこで岸田総理は、日本の防衛費をGDP比で2%程度にまで増額することをバイデン米大統領に伝えるらしい。
それはそれで誠に結構なことなのですが、PB黒字化目標があるかぎり、他の何らかの予算が削減されるか、防衛費増額分の増税が行われることになります。
勘弁してほしい。
普通に国債を発行すればいいだけの話なのですから。
何度でも言いますが、税は財源確保の手段ではありません。
ゆえに国債を発行したからといって、その国債を償還するために将来世代に課す税を重くする必要もありません。
国債の償還は常に「借り換え」されるものであって、集めた税金で返済されるものではないのです。
政治家たちは「財政赤字は将来世代へのツケだ…」という間違った考えを一刻もはやく捨ててほしい。
そして、政府の財政赤字は、単に民間部門(企業・家計)に通貨を供給しているにすぎないことをぜひ知ってほしい。