使用済み太陽光パネルの廃棄量ピーク

使用済み太陽光パネルの廃棄量ピーク

電力文明に生きる私たちにとって、安定した電力供給はライフ・ラインそのものです。

朝起きて、1ワットも電気を使わずに出勤する人などおられないでしょう。

電気が発電される理屈は実にシンプルです。

コイルを巻いた電磁石を回転させれば、それで電気は発生します。

太陽光発電以外の発電機は、基本的にはこの電磁石(タービン)を「どのように回すか」という問題に過ぎません。

火力発電や原子力発電は熱で発生した蒸気でタービンを回します。

一方、水力発電や風力発電は水や風などの自然エネルギーでタービンを回します。

ご承知のとおり自然エネルギーは不安定なので、エネルギー安全保障を確立するためには何よりも鉱物性燃料が鍵をにぎることになります。

即ち、鉱物性燃料の種類、及びその調達先を「いかに多様化するか」がエネルギー安全保障の基本です。

それにつけても、太陽光発電ほど当てにならない電源はありません。

川崎臨海部でも、川崎市と東京電力の共同事業で大規模な太陽光発電(2万kw)が行われていますが、今朝の川崎の空は曇っていますので、雲の切れ間から太陽の光が差し込んでくるまでは発電できない状況です。

要するに、もしも全国的に曇ってしまえば電力供給は大幅に落ち込んでしまうわけです。

それが真冬、真夏であればなおさらです。

さて、2035年から2037年にかけて、使用済みの太陽光パネルの廃棄量がピークを迎えるそうです。

その量は、産業廃棄物の最終処分量の1.7~2.7%に相当するらしい。

きのう経済産業省によって明らかにされました。

地元の自治体には多くの住民から「事業者が適切に廃棄すると思えない」といった懸念が寄せられているらしく、経産省は環境省などとリサイクルをはじめとした対応を検討するとしています。

太陽光発電ほどの不安定電源はないと前述しましたが、不安定な上に今度はやっかいな産業廃棄物となるわけです。

ご承知のとおり、我が国で太陽光発電が一気に普及しはじめたのは2011年からです。

この年、いわゆるレント・シーカーと呼ばれる政商たちが、東日本大震災と福島第一原発事故というショックを利用して『FIT』なる自分たちに都合のいい制度を作ったのです。

因みに、当時の総理大臣は菅直人。

FITとは、原子力発電を停止した分の電力不足を太陽光発電などで賄い、そのコスト負担を「再エネ賦課金」という形で強制的に国民に負担させる制度です。

彼らレント・シーカーたちはノーリスクで儲けるだけなのですが、私たち一般国民には何一つメリットなどなく、ただただデメリットしかない制度だと言っていい。

そもそも太陽光発電により原発1基分の発電力を補うためには山手線の内側すべてに太陽光パネルを敷き詰める必要があるなどベース電源の代用になりようがない。

加えて、日本国民が払った再エネ賦課金はソーラー利権をもつ投資家や外資系企業に自動的に貢がれているだけです。

再生可能エネルギー特別措置法には、例によって「外資規制」がない。

現在、再エネ賦課金は国民一人当たり年間2万円程度ですが、電力中央研究所によると最終的な国民負担の総計は80兆円にものぼるようです。

こんな太陽光発電のために私たち日本国民はFITの「再エネ賦課金」を払わされているのでございます。

だいたいからして太陽光発電は晴れなければ発電できず、ソーラーパネルは強風には弱く地震にも脆く、パネル表面は常に綺麗にメンテナンスされていなければならない。

超自然災害大国である日本においては、最も相応しくない電源ではないでしょうか。