川崎市の臨海部(殿町地区)には、多摩川を隔てた羽田空港の対岸に国によって認められた特区(国際総合特区)があります。
本市はそこを『キング スカイフロント』と命名し、世界最高水準の研究開発から新産業を創出するためのイノベーション拠点として運営しています。
キング(KING)は「Kawasaki INnovation Gateway」の頭文字で、スカイフロントは羽田空港の目の前という立地、このエリアが世界につながっていることを表したいということでネイミングされました。
殿町だから殿(キング)とした、という由来もあるらしい。
ご承知のとおり羽田空港は、19ヵ国、32都市の就航先をもっています。
羽田空港と近接していることで、国内はもちろん海外とのスピーディなアクセスが可能となります。
また、殿町地区は首都高速道路、東京湾アクアラインに接続しており、東名高速道路や国道1号線等の広域新幹線道路網にも近接していることから、東京都心をはじめ各地との交通アクセスにも優れています。
なお本市臨海部には京浜港という国際貿易港があり、京浜工業地帯には世界に誇るものづくり産業が集積しています。
こうしたことから、殿町の特区(キング スカイフロント)はこの上なく立地条件に恵まれているわけです。
さて、そこで私は3月9日の川崎市議会(予算審査特別委員会)で次のような質問をしました。
「国はワクチンの国産化にこだわり、あまり汎用されていないワクチンをその対象にしている。そもそも治験参加者を確保することが困難な我が国においては、時代の最先端をいくワクチンを開発し生産することはなかなかに難しいのが残念ながら実状である。であれば、mRNAワクチンなどの最先端のワクチンを生産できる海外メーカーの工場を誘致したほうが、次なるパンデミックに備えるためにも実に現実的あると考える。そこで、地理的優位性をもつ国際総合特区に、最先端ワクチンの生産工場を誘致してはどうか?」
正直言って私としては「ダメ元」の質問だったのですが、意外にや意外…
当局(臨海部国際戦略本部)からは「国や企業等から情報収集を行い、誘致の可能性について検討していきます」という実に前向きかつ柔軟な答弁が返ってまいりました。
もしもこのことが実現できれば、クウォリティの高いワクチンの国内供給を安定的に確保することが可能となります。
加えて、その工場をアジア地域へのワクチン供給の拠点とすることで、川崎市が国際社会にも大きく貢献することになります。
これが実現できれば、まさに国際戦略です。