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議会報告 01 川崎市政

株式会社に安全保障は担えない2019/11/08    

本日は医療について。(医療も安全保障の一つです)

平成18(2006)年4月、国(厚生労働省)は、医療機関が看護師1人で7人の入院患者を受け持つ場合、その医療機関に最も高い入院基本料を設定しました。

それまでは概ね看護師1人で10人の入院患者を受け持つ、いわゆる「10:1看護」が医療機関の相場でした。

7:1入院基本料が創設された翌月(平成18年5月)の段階において、「7:1看護」を届け出た病床数は「44,800床」でした。

因みに、「7:1看護」とはいえ、病棟単位で平均在院日数の上限が設けられており、これを超えると気療機関は高い入院基本料は得られなる仕組みになっています。

いかにも、財政的な歯止めを掛けておきたい緊縮政府らしい措置です。

それでも翌年の7月には、届け出された病床数は3.6倍に増え「162,700床」となり、平成23年7月には「352,800床」までになりました。

前述のとおり、病棟単位で平均在院日数の上限が設けられており、これを超えると気療機関は高い入院基本料は得られなる仕組みになっていることから、各医療機関は一般病床における平均在院日数の削減に必死になるわけです。

俗な言い方をすると、医療機関にしてみれば、「7:1看護」にして患者を早く追い出せば高い入院基本料が得られ利益が上がる、ということになります。

現に、多くの病院が「7:1看護」にして患者さんの追い出しに躍起になったため、つまり「軽症患者を受け入れ早く追い出せば高い入院基本料を得られる」という悪用が横行したため、後方病床たる「療養病床」に過度な負荷がかかり、川崎市などでは療養病床の不足から、救急車の現場滞在時間が30分を上回ってしまうケースの割合が政令市でワースト1になってしまったこともあります。

厚生労働省は診療報酬を改定するなどして「重症患者が一定の割合以上でいないと、この高い入院基本料は認められない」としたところ、上のグラフのとおり平成26年3月をピークに「7:1看護」の届け出病床が減ってきたわけです。

もしも病床数を自由化すれば医療機関同士が過当競争に陥り、結果として国民のための医療安全保障が保たれません。

だからこそ国は、医療圏(2次医療圏)ごとに病床数に上限を設けています。

条件付きで「7:1看護」の入院基本料を手厚くしたのは、とても良いことだと思います。

むろん、家計簿財政論に陥り緊縮財政に走る国の制度設計にも大きな欠点はあります。

ですが、もっと大きな問題は、利益の最大化に走り制度を悪用しようとする医療機関の存在だと思います。

こうした医療機関にかぎって「うちは大幅な黒字経営です」と言って自慢する。

何のために「医療法人」と「株式会社」とが法的に区別されているのか、今一度考えてもらいたい。