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議会報告 02 政治・経済

エジプトにみる人口と経済2019/11/05    

未だなお「人口が減少する日本は成長しない」と頑なに信じている人たちは多い。

しかしながら、もしも経済成長の源泉が「人口」にあるのなら、例えばアフリカの国々は悉く経済大国になっていなければならない。

あるいは中東・アラブ諸国の中で最も人口の多い国はエジプトで、昨年の段階で人口が9,800万人を超え、この30年間でほぼ倍増しました。

ご覧のとおり、ものすごい勢いで人口は増えたものの、頼みの石油生産量は人口増加率を超えられず、不幸にもこの30年間で減少してしまいました。

結果、人口増で増えた国内消費を国内の供給能力で賄いきれないため、これまたエジプトの輸入はものすごい勢いで増え続けています。

以上のような理由により、エジプト国内では恐ろしい勢いでインフレ率が上昇しています。

エジプト政府は補助金によってパンやエネルギーの価格を抑えているようです。

その補助金の重要な原資は、むろん石油による輸出収入ですが、前述のとおりこの30年間、頼みの石油生産量は下降線をたどっています。

このような高いインフレ率のなか、今やエジプトでは人口の15%程度が1日2ドル以下の生活しているといいます。

8年前に起きたムバラク政権崩壊の背景には、こうした社会事情があったわけです。

原油に代表される枯渇性資源は物理的な制約から必ず生産のピークを迎えるわけですが、それでもエジプトに国内需要(モノやサービス)を賄う供給能力さえ充分にあればこのような事態にはなり得ません。

エジプトの例をみて解るとおり、人口増が経済成長をもたらすのではなく、人口と需要に応じた供給能力(一人あたりの生産性)こそが経済成長の源泉となるのです。

即ち、総人口、あるいは生産年齢人口が減少しようとも、一人あたりの生産性を高めることができれば経済成長は可能です。

むしろ人口減のときこそ、生産性向上のチャンスです。

しかしながら我が国は、そのせっかくのチャンスを「人口が減るから政府はあまりおカネを使わないほうがいい〜」という愚論によって逃そうとしています。