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議会報告 02 政治・経済

大事なのはおカネじゃない …国民を守る供給能力だ!2019/10/27    

麻生財務相は一昨日に行われた閣議後の記者会見で、台風被害に伴う補正予算編成の可能性について「水害の状況を見極めて判断する」と述べ、当面は予備費5,000億円の枠内で対策を講じるとのことです。

そもそも水害の被害を見極める以前に、水害を最小限にするためのインフラ整備を行うべきだと思うのですが、要するに麻生財務省は「あくまでもプライマリーバランスの黒字化を優先する」と言っているわけです。

プライマリーバランスとは、税収のみをもって公債費支出を除くすべての歳出を賄うという考え方です。

残念ながら今の日本では、プライマリーバランスの黒字化目標とインフラ整備で国民の命を守ることとがトレードオフの関係になっています。

なんと馬鹿げたことでしょうか。

災害疫学研究所(CRED)が発表した2018年の災害死亡者数をみますと、日本は世界のトップ3に入っています。

ここで言うところの「自然災害」には、地震・津波・火山など地殻変動による災害、嵐・寒波・熱波などの突発的気象による災害、洪水・鉄砲水・高波などの水害、干ばつ・山火事などの長期的天候による災害などが含まれています。(死者数には行方不明者も含まれる)

ただし、疫病や動物・虫などによる生物的な災害、あるいは事故などの技術的な災害も含まれていません。

世界には約200の国や地域が存在していますが、自然災害死亡者数をランキングすると日本は常に上位常連国です。

因みに、世界で発生する自然災害の60%は東アジアで発生していますが、グラフのとおりインドネシアもまた日本と同様に自然災害大国です。

このインドネシを年間6,000隻の船舶が通過し、一日1,000バレルの石油がマラッカ海峡を通過しています。

言わでもがな、マラッカ海峡は我が日本国にとって最重要シーレーン(海上輸送路)です。

国民の命を守る「防災」には、むろん政府によるインフラの整備が不可欠ですが、馬鹿げたことにおカネ(プライマリーバランス)を理由に政府はその仕事を放棄しています。

信じがたいことかもしれませんが、世界で最も「デフォルト(財政破綻)」の心配がないのが我が日本国なのです。

それよりも私たち日本国民が最も恐れなければならないことは、災害から国民を守るための「土木」や「建設」等の供給能力(生産するためのヒト、モノ、技術)が、長年の公共投資削減によって毀損し続けていることです。

いったん毀損された救急能力を回復するのは至難の業です。

ここは一つ、プライマリーバランスの黒字化目標を破棄し、長期の計画を立てて国民を災害から守るための防災投資を増やすべきです。

もしも麻生財務相が「プライマリーバランスの破棄」と「複数年度予算」をコミットしてくれたなら、防災インフラに関わる需要が長期で安定するため土木や建設部門の投資は増え、再び供給能力を強化していくことが可能になります。