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議会報告 02 政治・経済

実体経済と金融経済の乖離2019/10/26    

政権発足からおよそ10カ月後の2013 年9月、安倍総理は国連総会で「私の経済政策(アベノミクス)は『買い』だ」と、力強く英語で高々に宣言されました。

日本の株式市場は取引の7割以上を海外投資家が占めているため、海外投資家の売り買いが日経平均株価に大きな影響を与えます。

株価動向が政権基盤を左右すると信じる安倍総理としては、どうしても海外投資家(世界)にむけて、アベノミクスの利を喧伝しなければならなかったのでしょう。

さて、あれから6年が過ぎました。

日経平均株価を月次終値ベースでグラフ化してみました。

直近では「日本株市場は明らかに売買が減って盛り上がりに欠ける」という一部報道もありますが、長期的にみれば総理の目論見通り、株価は政権発足当時に比べ約5割高を維持しています。

とはいえ、日本の家計の金融資産に「株式(出資金を含む)」が占める割合は10%にも充たない。

日本の家計の金融資産は「現預金」が圧倒的なシェアを占めています。

因みに米国の場合は、家計の金融資産の3割以上が株式(出資金を含む)です。

何よりも、株価(金融経済)が上昇(拡大)したところで、国民所得の合計であるGDP(実体経済)には直接的に影響しません。

株価の資産効果で得た利益はGDPにはカウントされませんので。

例えば、株を売却して現金化し、そのカネで国内のモノやサービスを購入してくれてはじめてGDP(所得)が創出されます。

「株価が上がると、国内の消費や投資が増えて、やがて国民の所得が増える」という、いわゆるトリクルダウン仮設ですね。

※ トリクルダウンとは「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」という考え方

この仮設は、既に廃れ破綻しています。

そもそも前述のとおり、取引の7割以上が海外部門であり、家計の金融資産に占める株価の比率も低いのですから当然でしょう。

それに、株で儲けたらからといって直ちに現金化し消費するヒトもそうそうおられないことでしょうし。

実体経済(GDP)とは、日本国民が生産者(モノやサービスの供給者)として働き、モノやサービスという付加価値を生産し、それを顧客が消費・投資としておカネを支出してくれたときに創出される所得の合計です。

なお、一人あたりのGDPを成長されることを「経済成長」と言います。

一方、株式や土地や為替など、国民の労働により生まれたわけではない商品の購入におカネが回る経済のことを「金融経済」と言いますが、現在の我が国では、実体経済と金融経済の乖離が発生しています。

論より証拠…