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議会報告 02 政治・経済

定義なき無駄を論じるは安全保障の敵だ2019/10/14    

国土強靭化法は、東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、必要な事前防災と減災、そのほか迅速な復旧復興に資する施策を総合的かつ計画的に実施することの重要性を鑑みて制定されました。

そして大規模な自然災害等から国民の生命と財産を守ることのみならず、災害が国民生活(国民経済)に及ぼす影響の最小化に関連する分野について現状の評価を行った上で当該施策を適切に策定し、それをもって国家の計画として定めることを義務づけたものです。

実に立派な理念であり、目的も明確です。

ところが、それに伴う具体的な予算付けは未だな成されていません。

なぜ?

むろん、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化という愚かな政治的目的があるからです。

※ プライマリー・バランスとは、借り入れを除いた収入(歳入)と、償還費を除いた支出(歳出)との差額のこと!

このことが、いかに馬鹿げたことであるのかは、当ブログをご愛読頂いておられます皆様にはもうお解りかと存じます。

さて、2005年8月にニューオリンズなど米国南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」ですが、ハリケーンの強さを表すシンプソン・スケールはカテゴリー5(最大時)とのことでした。

その被害は凄まじいもので、少なくとも1,000人以上もの人命が奪われ、その被害総額はなんと14兆円にものぼったほどです。

後に、米国の連邦緊急事態管理庁(FEMA)が試算したところ、もしもニューオリンズ等で事前に2,200億円程度の防災投資を行っていれば、命を落とす人も被害総額もゼロになっていたとうことです。

要するに2,200億円のおカネをケチっていなければ、人命はもちろん、14兆円ものを損をすることもなかった、というのです。

ここで、我が日本国民が参考にすべき重要な点が3つあります。

例え事前に2,200億円の防災投資をしたとしても、もしかしたらカトリーナは来なかったかもしれない。

そのとき、「2,200億円ものおカネが無駄になったではないかァ〜」という馬鹿なことは言わないことです。

「莫大な費用をかけて堤防を築いても大型台風なんか来るか来ないかわからないじゃないかァ〜」と言っている、どこぞやのお○○さんと一緒です。

二つ目は、「公共事業は一部の土建屋を潤すだけだァ〜」あるいは「政府が大きくなると公務員が増えるだけだァ〜」などのルサンチマン(鬱屈とした社会への不満)に陥って公共事業悪玉論を展開しないことです。

超自然災害大国の国民が公共事業を悪玉視するのは自殺行為です。

中には「公共事業は失業手当と同じだ」みたいに言うお○○さんもいるくらいです。

同じなわけねぇだろ…

三つ目は、「公共事業を増やすなら、もっと子育てや福祉におカネを使うべきだァ〜」あるいは「無駄な予算をもっと削るべきだァ〜」みたいな家計簿会計に陥らないことです。

家計簿会計こそ、プライマリーバランス思想そのものです。

通貨発行権のあるデフレ国家政府に財政制約などありません。

即ち、定義なき「無駄」を理由に安全保障を論じないでほしい。

防災であれ、国防であれ、あるいは救急医療であれ、「無駄(バッファ=余裕)」を排除してしまったら安全保障は成立しません。

ルサンチマンで政治をみてしまうと、安全保障にとって必要な余裕がすべて「無駄」に見えてしまうのでしょう。