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議会報告 02 政治・経済

トリクルアップ2019/10/09    

「トリクルダウン(trickle down)」=「ぽたぽたと滴り落ちる」

ネオリベラリズム(新自由主義)に基づく構造改革を推進してきた人たちはみな、声を揃えて「富めるものが富めば、貧しいものにも富が自然に滴り落ちる」と言ってきました。

いわゆる“トリクルダウン理論”です。

とりわけ、竹中某さんのように第二次安倍内閣で経済財政政策を担う人たちの多くは、この理論を信じ「富めるものが富む」ための政策(構造改革)を推し進めています。

しかしながら、現実的には富めるものが富んでも、所得格差が増大しているだけで、貧しいものに富が滴り落ちてくることはありません。

現代のように国際的な資本の移動が認められていると、富めるものが得た利益を別の国に投資することができますので、たとえ富めるものの近くにいたとしても、その人も富が滴り落ちるとは限らないわけです。

さて、第二次安倍政権が発足して直ぐに、日銀による大規模な量的緩和政策がとられました。

いわゆる黒田バズーカ(日銀による市中国債の大量購入)です。

これにより、金融市場のインフレ期待が高まって為替市場は一気に円安に向かい、日本の株式市場が上昇しました。

下のグラフのとおり、2013年(第二次安倍内閣の発足は2012年12月)の株価伸び率は40%を超えました。

因みに、2016年に株価伸び率が前年を下回ったのは円高になったからです。

グローバルマネーが瞬時にして大量に国境を超えることが可能な世界では、株価は実体経済(GDP=国民経済)を必ずしも反映しません。

政権発足以降、2016年を除けば順調に株価を上昇させてきた安倍内閣ですが、残念ながらトリクルダウンらしきものは見当たらず、国民経済は豊かになっておりません。

例えば、実質賃金は下のグラフのごとき悲惨な状況です。

念のため、下のグラフを付け加えておきますが、就業者の増減と実質賃金には因果関係はありません。

今の日本に求められている経済政策は、この実質賃金とインフレ率を相乗的に引き上げる諸政策(特に財政支出の拡大)です。

実質賃金を低下させるデフレ経済は、中間層を破壊し格差を拡大することから社会全体にとって大きな損失です。

いま日本には、トリクルダウンではなく、経済をトリクルアップさせるための「財政支出の拡大」と「逆構造改革」が求められています。

かつて、バブル崩壊以前の日本では「一億総中流」と言われていたように、格差をできるだけ小さくし中間層を分厚くすることで経済成長を成し遂げてきました。

考えてみれば、あの悪名高かった「護送船団方式」もまた、経済を「トリクルアップ」させるためのシステムだったともいえます。