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議会報告 01 川崎市政

マスコミの劣化もまた民主主義の危機2019/10/07    

議員をしていて、最近とくに思うのはマスコミの質的劣化です。

ここで私がいうマスコミの質とは、とりわけ各新聞社(地方支局記者)の取材力のことです。

いわゆる五大紙の地方版をみても、市政や市議会に関わるニュースボリュームが小さいのは昔からですが、ここ数年はとくに、行政サイドが記者クラブに投げ込んだ報道発表資料をそのまま記事にして垂れ流しているだけ、というケースがほとんどです。

つい数年前までは記者さんも立派な方が多く、そんなことはなかったのですが…

かつては記者さんも議員(議員もピンキリですが…)ばり、あるいは議員以上に勉強されていて、行政が抱えている問題点を独自の視点で記事にしてくれていたのですが、今はそうしたことはほとんどありません。

さて、例によって経済新聞を名乗りながら、こと経済に疎い新聞社がまた疑問符のつく記事を書いています。

『緩む財政規律、債務は膨張
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50658790V01C19A0EA2000/
自公連立の20年間は政治が安定した一方で、政府・日銀が大規模な財政出動と低金利政策を繰り返した時代でもある。自公も一時政権を担った民主党も、有権者を意識して歳出を拡大し、政府債務は膨張し続けてきた。金融危機に対応する財政出動から歯止めがかからないまま20年たった。(後略)』

記事は「自公連立の20年間は大規模な財政出動をした」と言っていますが、本当ですか?

下のグラフをご覧ください。

各経済主体の「資金過不足」(資金循環統計)です。

資金過不足とは、その年の収入よりも支出のほうが多ければマイナス、その年の収入よりも支出のほうが少なければプラスです。

青い棒グラフが政府ですが、政府がマイナスになっているのは、デフレ経済(需要不足経済)により企業(緑色の棒グラフ)に資金需要がないため、要するに企業がおカネを使わず内部留保を貯め込んでいるために経済(GDP)が拡大せず、企業にかわって政府が資金不足を賄っていることを意味しています。

因みに、まともな経済(デフレでない経済)下では、資金過不足の不足を担うべきは企業です。

グラフをよくみますと、2000年以降、政府の資金不足のマイナス幅が縮小しているのがわかります。

まさにこれが緊縮財政です。

2009年〜2012年に、いったん資金不足幅が拡大していますが、これはリーマン・ショックによって更にデフレが深刻化し、政府が経済を下支えし不足を補ったことによります。

民主党政権下のことでした。

その後、第二次安倍政権(自公政権)が発足して、再び緊縮財政にもどり政府の資金不足幅が縮小していったわけです。

即ち、自公政権は民主党政権よりも、よっぽど緊縮財政政権なのです。

日本経済新聞社が記事のなかで主張している「政府債務の膨張」は、財政支出の拡大が原因ではなく、デフレが原因です。

そしてデフレの原因こそが、まさに政府の緊縮財政なのです。

もしも自公政権が大規模な財政出動をしてくれていたのなら、政府債務は膨張していません。

このことが、いつまでたっても理解できない「経済新聞」なのでございます。

ちゃんとマスコミが機能してくれなければ、有権者は賢明な選択ができなくなりますので、民主主義もまた正しく機能しません。