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議会報告 01 川崎市政

地域医療をも毀損する「プライマリーバランス黒字化目標」2019/09/29    

去る9月24日の夜、『2025年にむけて役割・機能の再検証を行うことが必要な公立・公的医療機関のリスト』が厚労省から各都道府県に示されました。

再検証を要請された公立・公的医療機関は全国で約300機関。

そのうち、神奈川県内では10機関が名指しされ、その中に本市の市立井田病院が入っていました。

即ち、がん・救急・小児医療など、公立病院が担うべき政策医療の診療実績が少なく、他に病院と類似し、かつ近接しているがゆえに「改めて再検証しろ!」というお達しらしい。

厚労省が具体的にイメージする再検証とは、①病床削減等のダウンサウジング、②一部の機能の他病院への集約です。

要するに、政策医療の実績云々は大きな建前で、再検証要請の真の目的は例によって「緊縮財政」(国のプライマリーバラナスの黒字化)かと思われます。

病床を減らし、公立病院を統合していけば、着実に国の医療支出を減らすことができますので…

プライマリーバランスとは、基礎的財政収支のことで、税収のみをもって公債費支出を除くすべての歳出を賄うという考え方です。

デフレ下でのプライマリーバラナス黒字化を前提にすると、新たな事業に予算をつけたら、必ず他の既存予算を削らなければなりません。

市立井田病院は、これまでにも特例病床制度を活用(民間病院への病床放出)するなどして地域医療の充実に適う事業再編に取り組んできました。

また、公立病院に課せられた会計制約を満たしつつ、それなりの医療投資を行うなどして医療の高度化にも取り組んできました。

地域医療のためになるのかどうかは別として、「これ以上、削れるところはない」ほどにコストカットも進めてきました。

なのに「それでもまだ再編しろ!」というのか…

地域医療(国民医療)にとって、真に大切なのはおカネではありません。

国民が必要とする医療需要に対し、それぞれの地域が充分なる医療供給を良質ともに提供することができるかどうかです。

このままプライマリーバランス行政が続くと、近い将来、「せっかくおカネはあるのだけれど、残念ながら医療供給(医療人材・機器や施設・医療技術)が足りない」という悲惨な状況に陥りかねません。

こうした中、来週火曜日(10月1日)、いよいよ消費税率が10%に引き上げられます。

この税率引き上げも、その目的はまさにプライマリーバランスの黒字化です。

来年は、消費税増税に加えて五輪不況。

さらには、米中覇権戦争やドイツ失速やブレグジットと、外需が伸びる要素も
ありません。

ご存じでしょうか?

財務省のプライマリーバランス黒字化目標の2025年達成は、外需絶好調だった2006〜07年の外需伸び率を前提にしていることを…

因みに、2025年にプライマリーバラナス黒字化を達成するためには、2019年以降の7年間、外需が対GDP比で年平均4.3%も成長しなければなりません。

ありえない…

繰り返します。

我が国には、深刻な財政問題など存在しません。

この事実を、ひとりでも多くの日本国民が共有しなければ、医療のみならず国力の源泉たる各種の供給能力が、「緊縮財政」と「プライマリーバランス」の名の下に毀損されていくばかりです。