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議会報告 02 政治・経済

移民と財政主権の喪失によって溶解するEU2019/09/20    

欧州では企業の資金需要が低迷し、EU各国の10年債利回りが低下しています。

資金需要が低迷する最大の理由は、デフレです。

例えば、EUを「ドイツ第四帝国」とまで言わしめたドイツもまたデフレ化に苦しんでいるようです。

ドイツの財務大臣は、大規模な財政支出をしてでも景気対策を行う用意があると発言したのだとか。(因みにドイツでは憲法に「緊縮財政」が書かれています)

ご承知のとおり、ドイツの財政黒字は主として外需(輸出)によって支えられてきました。

即ち、ユーロ加盟国、イギリス、中国などに対する経常黒字の積み重ねによって財政黒字を貯め込んできたのです。

そこで、「デフレなら仕方がない。その黒字分で財出しようじゃないか」と、ドイツの財務大臣は言っているわけです。

緊縮財政を憲法で謳っているドイツがどこまで財政支出を拡大できるのかわかりませんが、もしもデフレ化に歯止めがかからねれば、これまでポーランドあたりから大量に入ってきた移民労働者たちが真っ先に失業することになるでしょう。

そうなると結果として治安が悪化し、移民に対するドイツ国民の反発が一層深まることになるはずです。

EUが抱えている二大問題は、①移民と②財政主権の喪失です。

ドイツにはポーランドからの移民がたくさん流入していますが、もともとポーランド経済が「人手余剰」になっていたわけではありません。

彼らはポーランドとドイツの間に所得差があったがために国境を超えて働きに来ていたわけです。

要するに、たとえ人手余剰の国であっても高収入を求めて容赦なく移民が入って来るのがEUなのです。

その結果としてポーランドが人手不足となり、今度は更に人件費の安いルーマニアあたりからポーランドに移民が入ってくるという話で、いわゆる「移民の玉突き現象」ですね。

そして移民という低賃金労働力が入ってくることは、人件費を抑制した企業にとっても都合がいいから厄介な話です。

そんな移民社会にたまりかねたネイティブ国民たちによる反発が、フランスの黄色いベスト運動であったり、ブレグジット(英国のEU離脱)問題なのです。

下のグラフをご覧ください。

ドイツの移民流入数は尋常じゃない。

合意なき離脱を模索しているイギリスの3倍以上です。

ILO(国際労働機関)のデータから若年失業率をグラフ化すると、次のとおりです。

イギリスの若年層失業率は、10%を優に超え、フランスに至っては20%を超え、ギリシャに至っては40%を超えています。

ご覧のとおり日本だって、若年層失業率は4.6%もあり決して低い数字ではありません。

移民問題によってEUが溶解しようとしているなか、周回遅れで外国人労働者の受け入れに向かう我が国なのです。